サービス業の人手不足を解消するには?原因・離職率・採用対策・省人化まで企業向けに解説

サービス業では、「求人を掲載しても応募が集まらない」「採用できても短期間で離職してしまう」「欠員を既存従業員の残業で補っている」といった課題が深刻化しています。飲食店、ホテル・旅館、小売店、コンビニ、スーパー、接客業などは、顧客と対面する業務が多く、営業時間や需要の波に合わせて人材を配置しなければなりません。そのため、人手不足が起きると、単なる採用上の問題にとどまらず、営業時間の短縮、予約枠の制限、サービス品質の低下、売上機会の損失へつながります。
サービス業の人手不足は、少子高齢化による労働力人口の減少だけが原因ではありません。賃金や休日、長時間労働、不規則なシフト、教育体制、業務の属人化、採用ターゲットとのミスマッチなど、複数の要因が重なって発生します。したがって、求人掲載数を増やすだけでは、根本的な解消につながらないケースも少なくありません。
企業には、採用チャネルの拡張、求人票の改善、待遇や評価制度の見直し、教育の標準化、DX・省人化、スポットワーク・スキマバイトの活用などを組み合わせることが求められます。本記事では、サービス業の人手不足の現状と原因、離職率、企業経営への影響、業種別の対策まで解説します。
なお、本記事における「サービス業」は、飲食店、宿泊業、小売業など、顧客対応や店舗運営を伴う業種を広く含んでいます。
- サービス業の人手不足は、労働力人口の減少だけでなく、賃金水準 / 不規則なシフト / 教育体制 / 採用のミスマッチなどが重なって発生していること
- 宿泊業・飲食サービス業は入職と離職の動きが大きく、人材確保には採用強化と定着率向上の両方が必要なこと
- 人手不足を放置すると、営業時間の短縮 / サービス品質の低下 / 既存従業員の負担増加 / 採用コストの上昇につながること
- 不足している時間帯・業務・雇用形態を把握し、求人票 / 採用チャネル / 待遇 / シフト / 教育体制を見直すことが重要なこと
- POSレジ / セルフレジ / 予約管理 / シフト管理 / AIなどを活用すれば、少人数でも店舗を運営しやすくなること
- スキマバイトを活用すると、急な欠員や繁忙時間帯の人材を補いながら、長期雇用や採用ミスマッチの防止にもつなげられること
サービス業における人手不足は、採用・定着・省人化を同時に見直すべき経営課題

サービス業の人手不足は、一過性の採用難ではなく、労働力人口の減少、需要拡大、低賃金のイメージ、長時間労働、不規則なシフト、高い離職率などが重なった構造的な経営課題です。企業が求人サイトへの掲載を増やしても、入社後の離職が続いたり、教育に時間がかかったりすれば、現場の不足感は改善しません。
解消するには、採用数を増やす施策だけでなく、従業員が定着しやすい労働環境の整備、業務プロセスの標準化、デジタルツールによる業務効率化が必要です。正社員、アルバイト、パート、スポット人材に任せる仕事を整理し、繁忙時間帯に必要な人材を柔軟に確保できる体制を作ることが重要になります。
採用だけでなく、現場運営全体の見直しが必要
人手不足を解消する基本方針は、「採用」「定着」「省人化」の3つです。採用では、求人票、給与、勤務時間、応募後の対応速度、採用チャネルを見直します。定着では、初期研修、評価制度、シフトの柔軟性、相談体制、職場の人間関係を改善します。省人化では、POSレジ、セルフレジ、予約管理、在庫管理、AI、ロボットなどを導入し、人が対応しなくてもよい業務を減らします。
サービス業の人手不足の現状|データで見る採用難の深刻度
帝国データバンクが2026年1月に行った調査では、正社員の人手不足を感じている企業は52.3%、非正社員では28.8%でした。毎年1月時点で正社員不足を感じている企業の割合は、4年連続で半数を超えており、多くの企業で人材確保が経営上の課題になっています。また、非正社員における業種別のデータによると、飲食店の58.6%、旅館・ホテルの44.0%が人手不足を感じていると回答しました。前年より改善傾向にあるものの、依然として高い水準です。
サービス業は、顧客の来店時間や予約状況によって必要な人員が変わります。全体の人数が足りていても、ランチタイム、夕方、週末、チェックアウト後の清掃時間など、特定の時間帯だけ不足するケースがあります。企業は「何人足りないか」だけでなく、「どの業務が、いつ、何時間不足しているか」まで把握しなければなりません。
[参照]帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260220-laborshortage202601/
宿泊業・飲食サービス業は入職・離職の動きが大きい
厚生労働省が2025年に発表した調査によると、2025年上半期(1月〜6月)における宿泊業・飲食サービス業の入職者数は65万8,500人、離職者数は57万6,900人でした。また、同業種における入職率(※1)は15.0%、離職率(※2)は13.1%でした。全体の入職率(※1)が8.9%、離職率(※2)が8.1%であったため宿泊業・飲食サービス業は採用と離職の双方が多い業種であることがわかります。入職者が多かったとしても、離職者も多いとなると、店舗には採用や教育の負担が継続的に発生します。採用担当者は応募数や採用数だけでなく、初回勤務率、1カ月後・3カ月後の定着率、欠勤率、教育に必要な時間なども確認する必要があります。離職率を下げる施策を行わなければ、求人広告費や研修コストが増え続ける可能性があります。
※1「入職率」:常用労働者数(※3)に対する入職者数の割合
※2「離職率」:常用労働者数(※3)に対する離職者数の割合
※3「常用労働者」:次のa・bいずれかに該当する労働者のこと
a. 期間を定めずに雇われている者
b.1か月以上の期間を定めて雇われている者
[参照]厚生労働省「令和7年上半期雇用動向調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-1/index.html
飲食店・宿泊業・ホテル・小売業で不足しやすい業務は異なる
飲食店では、ホール、キッチン、洗い場、仕込み、清掃などが不足しやすい業務です。宿泊業では、フロント、客室清掃、朝食対応、ベッドメイク、予約管理などが挙げられます。小売業やスーパーでは、レジ、品出し、在庫管理、販売、閉店作業などの人材確保が必要です。
同じサービス業でも、必要なスキル、勤務時間、教育期間は異なります。例えば、店舗全体を管理する正社員と、ピークタイムのレジ補助を担うアルバイトでは、募集条件や採用方法を分けるべきです。業種別・業務別に不足状況を分析することで、求人内容を具体化し、応募者とのミスマッチを減らせます。
正社員とアルバイト・パートでは確保すべき役割が違う
役割を曖昧にしたまま募集すると、応募者が想定していた仕事と実際の業務に差が生じ、早期離職につながります。求人票には、具体的な仕事内容、担当範囲、研修期間、シフト、給与、評価方法を記載することが重要です。雇用形態ごとに期待する役割を明確にすれば、必要な人材を確保しやすくなります。
サービス業で人手不足が起きる主な原因
サービス業の人手不足は、採用市場だけの問題ではありません。日本全体の労働人口の減少、賃金水準、職場環境、教育体制、業務設計などが複雑に関係しています。原因を正しく把握せずに求人掲載だけを増やすと、応募が集まらない、採用しても定着しない、現場の負担が減らないという状態を繰り返す可能性があります。
少子高齢化による労働力人口の減少
日本では少子高齢化が進み、若年層を中心とする労働力人口の減少が続いています。飲食業、宿泊業、小売業のように、多くの就業者を店舗へ配置する必要がある労働集約型の産業では、採用対象となる人口の減少が直接的な影響を与えます。
賃金・給与水準が他業種と比較されやすい
サービス業は人件費の割合が高く、原材料費や光熱費も増加しやすいため、給与を大幅に上げることが難しい企業もあります。一方、応募者は求人サイトで複数の業種を比較し、時給、月給、休日、福利厚生、仕事内容を見て応募先を決めます。周辺相場より賃金が低ければ、仕事内容に魅力があっても応募につながりにくくなります。
長時間労働・不規則なシフト・休日取得の難しさ
サービス業では、土日祝日、早朝、夜間、年末年始など、一般的な休日や生活時間と異なる時間帯に需要が増えます。欠員がある状態で営業を続けると、既存従業員の労働時間が長くなり、休日を取得しにくくなる場合があります。不規則なシフトや急な出勤依頼が続けば、従業員の不満や疲労が蓄積します。
業務の属人化と教育体制の不足
ベテラン従業員の経験や判断だけに依存した店舗では、新人へ業務を引き継ぐことが難しくなります。教える内容や順番が担当者ごとに異なると、新人の理解度に差が生じ、独り立ちまでの時間も長くなります。教育担当者の負担が増え、採用した人材を十分に育成できないケースもあります。
過剰サービスにより生産性が低下している
顧客満足度を高めようとして、無料対応や個別対応を増やしすぎると、従業員一人あたりの業務量が増加します。過剰な接客や手作業が常態化すると、人材を増やしても現場が回らず、利益率が低下する可能性があります。
求人票や採用ターゲットが合っていない
求人票の情報が少ないと、応募者は実際の仕事をイメージできません。「接客スタッフ募集」とだけ書くのではなく、レジ、品出し、配膳、清掃、予約受付などの業務を具体的に記載する必要があります。また、「週5日勤務できる人」のように条件を狭くしすぎると、短時間であれば勤務できる人材を取りこぼします。
サービス業の人手不足が企業経営に与える影響
人手不足は、人事部門や店舗責任者だけの問題ではありません。人材を確保できない状態が続くと、売上、利益、顧客満足度、従業員の定着、事業拡大など、経営全体へ影響します。帝国データバンクが2026年7月に発表した調査によると、2026年上半期(1月〜6月)の「人手不足倒産」は227件判明しており、過去最多を更新しました。
[参照]帝国データバンク「倒産集計 2026年上半期報(1月~6月)」
https://www.tdb.co.jp/report/bankruptcy/aggregation/20260708-bankruptcyh12026/
営業時間短縮・予約制限・売上機会の損失
必要な人数を配置できなければ、飲食店では席数や営業時間を減らし、ホテルや旅館では販売する客室数を抑える必要があります。小売店ではレジの稼働台数が減り、会計待ちによる購入離脱が発生する可能性もあります。
サービス品質・顧客満足度の低下
人材が不足すると、一人の従業員が複数の業務を同時に担当しなければなりません。注文や会計の待ち時間が長くなる、客室清掃が十分に行き届かない、問い合わせ対応が遅れるなど、顧客体験へ直接的な影響が出ます。
既存従業員の負担増加と離職の連鎖
欠員を既存従業員で補う状態が続くと、残業、休日出勤、担当業務の増加が発生します。疲労や不満が蓄積すれば、モチベーションが低下し、新たな離職につながります。離職者が増えると、残った従業員の負担がさらに増えるという悪循環に陥ります。
採用コスト・教育コスト・人件費の増加
応募が集まりにくくなると、求人広告の掲載期間が長くなり、複数媒体への出稿も必要になります。採用担当者の工数、面接、入社手続き、研修にもコストがかかります。さらに早期離職が続けば、同じ業務の採用と教育を繰り返すことになります。
店舗展開・新規事業・サービス拡大の停滞
新規出店や営業時間の拡大を計画していても、店長候補や現場従業員を確保できなければ、計画を延期せざるを得ません。複数店舗を運営する企業では、新店舗へ人材を異動させた結果、既存店舗が不足するケースもあります。
サービス業の人手不足を解消するための基本対策

人手不足対策には、単独で万能な方法はありません。企業の課題が応募不足なのか、早期離職なのか、繁忙時間帯だけの不足なのかによって、実施すべき取り組みは異なります。まず現状をデータで把握し、採用、定着、業務効率化の優先順位を決めましょう。
不足している時間帯・業務・雇用形態を把握する
店舗ごとに、来客数、予約数、売上、配置人数、残業時間、欠員数を確認します。平日と週末、通常期と繁忙期、時間帯別に分析すると、不足が発生しやすい場面を特定できます。例えば、ランチタイムの2時間だけ不足している場合、フルタイムの正社員を採用するより、短時間のアルバイトやスポット人材を確保する方が効率的です。
不足状況を把握する際は、人数だけでなく業務内容も確認します。接客、清掃、品出し、調理補助などに分け、必要なスキルと教育時間を整理すると、適切な雇用形態や採用方法を判断しやすくなります。
求人票を改善し、応募者に伝わる情報を増やす
求人票には、給与、勤務時間、勤務地だけでなく、具体的な仕事内容、1日の流れ、研修内容、職場の人数、服装、必要なスキルを記載します。応募者が入社後の仕事を想像できるように、写真や動画を活用する方法も効果的です。
「未経験歓迎」と記載する場合は、どのような研修があるのかも示しましょう。シフトの柔軟性、休日の取りやすさ、正社員登用、昇給制度など、自社のメリットを明確に発信することも必要です。一方で、繁忙時間帯の忙しさや立ち仕事なども正確に伝えることで、採用後のミスマッチを防止できます。



採用チャネルを拡張し、求人サイトや短期求人を使い分ける
一つの求人サイトだけで応募が集まらない場合は、複数の採用チャネルを検討します。一般的な求人サイト、業種特化型サイト、自社採用ページ、SNS、従業員紹介、店舗掲示、スキマバイト・スポットワークサービスなど、それぞれ接点を持てる対象が異なります。
長期的に店舗運営を担う正社員と、繁忙時間帯を補う短期人材では、募集方法を分けることが重要です。採用チャネル別に応募数、採用数、定着率、料金を比較し、自社に合う組み合わせを見つけましょう。応募後の連絡が遅いと辞退につながるため、対応速度の改善も必要です。


賃金・評価制度・福利厚生を見直す
まずは同じ地域・職種の求人と給与を比較し、自社の条件が相場から大きく離れていないか確認します。賃上げが難しい場合でも、時間帯手当、スキル手当、交通費、食事補助、従業員割引、正社員登用などを整備することで、総合的な魅力を高められます。
評価基準を明確にし、スキルアップが給与へ反映される制度を作ることも重要です。何を達成すれば昇給するのかわからない職場では、従業員のモチベーションが低下します。接客、レジ、教育、発注などのスキルを段階化し、成長を評価できる仕組みを整えましょう。
シフト体制を見直し、多様な人材がはたらきやすい条件を整える
固定的な長時間シフトだけでは、応募できる人材が限られます。平日昼のみ、週末のみ、早朝のみ、1日3時間など、複数の勤務パターンを用意すると、主婦・主夫、学生、シニア、副業希望者からの応募を得やすくなります。
シフト希望の提出方法や締め切り、確定日を明確にし、従業員が予定を立てやすい環境を整えることも定着につながります。急な欠員時の連絡先や対応方法も決めておきましょう。

教育・研修を標準化し、未経験者を育成できる体制を作る
経験者だけを採用しようとすると、対象となる人材が少なくなります。未経験者でも担当できるよう、初日、1週間後、1カ月後に覚える業務を分け、研修計画を作成しましょう。文章だけでなく、写真や動画を使ったマニュアルも理解を支援します。
教育担当者によって説明内容が変わらないよう、チェックリストを用意することも有効です。新人が質問しやすい担当者を決め、習熟度を定期的に確認します。教育が標準化されれば、採用対象を広げながら、早期離職や業務ミスを減らせます。

業務を切り出し、短時間でも任せられる仕事を作る
店舗業務を細分化すると、短時間勤務者や未経験者へ任せやすくなります。飲食店なら洗い場、仕込み、清掃、配膳補助、小売店なら品出し、棚卸し、レジ補助、宿泊施設ならベッドメイクやアメニティ補充などが例です。
業務を切り出す際は、開始条件、終了条件、品質基準、所要時間を決めます。誰が担当しても同じ結果になるよう、手順を標準化しましょう。正社員が判断や接客品質の管理へ集中できるようになり、店舗全体の生産性向上にもつながります。
スポットワーク・スキマバイトを活用する
急な欠員、繁忙期、短時間だけの不足には、スポットワーク・スキマバイトの活用が有効です。1日単位や数時間単位で求人を掲載できるため、必要な時間に合わせて人材を確保しやすくなります。長期採用だけでは埋めにくいシフトの空きを補う手段として活用できます。
ただし、受け入れ準備が不十分だと、現場の説明負担が増えます。担当業務を限定し、集合場所、服装、持ち物、当日の流れ、注意事項を求人へ具体的に記載しましょう。業務マニュアルや担当者を用意しておくと、初めて就業する人材も動きやすくなります。
DX・省人化で少人数でも回る店舗運営を実現する方法
人材確保が難しい状況では、人を増やす対策だけでなく、必要な人数自体を抑える取り組みも必要です。DXや省人化設備を導入すると、会計、注文、予約、在庫管理、シフト作成などの定型業務を効率化できます。従業員は、顧客対応や品質管理など、人にしかできない仕事へ集中しやすくなります。
POSレジ・セルフレジ・キャッシュレス決済でレジ業務を効率化する
POSレジは、会計だけでなく、売上分析、商品管理、在庫管理などの機能を持つシステムです。セルフレジやキャッシュレス決済と組み合わせることで、会計時間や締め作業を短縮し、入力ミスを削減できます。
タブレット注文・予約管理・在庫管理で業務プロセスを自動化する
飲食店のタブレット注文やモバイルオーダーは、注文を受ける業務を削減し、伝達ミスを防ぎます。ホテルや旅館では、予約管理システムを導入することで、複数の予約サイトの情報を一元管理できます。小売業では、在庫管理システムにより、在庫数の確認や発注作業を効率化できます。
シフト管理システムで欠員・残業・配置の偏りを把握する
紙や表計算ソフトでシフトを作成していると、希望の回収、変更、共有に時間がかかります。複数店舗を運営する企業では、他店舗に応援できる従業員を探す作業も負担になります。シフト管理システムを導入すると、希望提出、作成、共有、勤怠管理を一元化できます。
シフト管理システムなら、パーソルグループの「シェアフルシフト」がおすすめ
シェアフルシフトは、シフトの作成や共有、調整にかかる業務を効率化するサービスです。紙や個別メッセージによる希望回収を減らし、店舗責任者の管理負担を軽減できます。シフトの不足を把握しやすくなるため、必要な時間帯の求人掲載にもつなげやすくなります。
導入を検討する際は、現在のシフト作成時間、変更回数、連絡手段、勤怠管理方法を整理しましょう。無料で利用できる範囲や機能、既存の運用との連携を確認し、現場が無理なく使える方法で導入することが重要です。

AI・オンライン接客・ロボット活用で省人化を進める
問い合わせへの自動回答、予約確認、売上予測、シフト作成支援などにはAIを活用できます。ホテルのオンライン接客、飲食店の配膳ロボット、店舗の清掃ロボットなども、従業員の業務負担を軽減する方法です。
すべての接客を自動化すると、顧客満足度が低下する可能性もあります。定型的な案内や繰り返し作業は技術へ任せ、クレーム対応、提案、細かな気配りなどは従業員が担当するように分けましょう。導入後は、業務時間、人件費、顧客評価を確認し、効果を検証する必要があります。
業種別に見るサービス業の人手不足対策

サービス業と一括りにしても、業務内容や繁忙時間帯は異なります。自社の業種で不足しやすい仕事を特定し、採用と省人化を組み合わせることが重要です。
飲食店・飲食業|ピークタイムと仕込み業務を分けて採用する
飲食店では、ランチ、ディナー、週末、宴会シーズンなどに業務が集中します。ホール、キッチン、洗い場、仕込み、清掃を分け、時間帯ごとに必要な人数を算出しましょう。ランチタイムだけホール補助を募集する、開店前だけ仕込み人材を配置するなど、短時間の求人へ切り出す方法が有効です。
モバイルオーダー、タブレット注文、POSレジ、セルフレジを導入すると、注文や会計の業務を減らせます。正社員は店舗運営や教育、アルバイト・スポット人材は定型業務を担当するなど、役割を明確にすると現場を回しやすくなります。
宿泊業・ホテル・旅館|清掃・フロント・朝食対応の繁忙時間を補う
宿泊業では、朝食、チェックアウト、客室清掃、チェックインなど、時間帯ごとに異なる業務が集中します。特に客室清掃やベッドメイクは、チェックアウト後からチェックイン前までに完了させる必要があり、短時間に多くの人材が必要です。
清掃手順や品質基準を標準化し、短時間勤務者やスポット人材を受け入れやすくしましょう。セルフチェックイン、オンライン接客、予約管理システムを導入すれば、フロント業務を省力化できます。繁忙期の需要予測をもとに、早めに求人を掲載することも重要です。
小売業・スーパー・販売|レジ・品出し・在庫管理を効率化する
小売店やスーパーでは、開店前の品出し、夕方のレジ、セール期間、棚卸しなどで人材が不足しやすくなります。業務と時間帯を分けて募集し、短時間勤務者を組み合わせることで、必要な時間だけ人材を確保できます。
セルフレジ、キャッシュレス決済、在庫管理システムを導入すると、会計や在庫確認の負担を削減できます。接客が必要な売場へ従業員を重点配置し、定型業務をシステムや短期人材へ移すことで、顧客対応の品質を維持しやすくなります。
急な欠員・繁忙期対応にはスポットワーク・スキマバイト求人掲載も有効
長期採用は、店舗の中核を担う人材を確保するうえで重要です。一方、急な欠勤、予約増加、セール、イベント、季節需要などには、長期採用だけでは間に合わない場合があります。スポットワーク・スキマバイトは、必要な日や時間に限定して求人を掲載できるため、こうした一時的な不足に対応しやすい方法です。
スポットワーク・スキマバイトが向いている業務
スポットワークに向いているのは、短時間で説明でき、作業の完了条件が明確な業務です。飲食店のホール補助、洗い場、仕込み、宿泊施設の客室清掃、小売店の品出し、棚卸し、販売補助などが挙げられます。
求人を作成する際は、業務内容、勤務時間、必要な経験、服装、持ち物、集合場所、担当者を具体的に記載します。経験者に限定する場合は、求めるスキルを明確にしましょう。当日の説明を簡潔にするため、写真付きマニュアルやチェックリストを用意することも効果的です。
スキマバイト活用で採用コストと教育負担を抑える考え方
スキマバイトでは、必要な時間帯だけ求人を掲載できるため、恒常的な求人広告と比較して、募集期間や対象時間を絞りやすいメリットがあります。また、実際の仕事ぶりを確認したうえで、長期雇用を提案する活用方法もあります。
ただし、複雑な業務を短時間で教えようとすると、既存従業員の負担が増えます。最初は単純な業務から任せ、経験や評価に応じて担当範囲を広げるとよいでしょう。スポット人材の受け入れをきっかけに、業務マニュアルや指示方法を改善すれば、既存従業員の教育にも活用できます。
サービス業のスキマバイト活用なら、パーソルグループの「シェアフル」がおすすめ
シェアフルは、サービス業の人材不足対策に活用できるスキマバイトサービスです。飲食店やホテル、小売店などで発生しやすい急な欠員や繁忙期、特定の時間帯だけの人材不足に対し、1日/数字間単位で求人を掲載できます。必要な日時や業務に絞って募集できるため、既存従業員の負担を軽減しながら、店舗運営に必要な人材を確保しやすくなります。
また、双方が希望する場合には長期雇用へつなげることもできます。スポットでの就業を通じて、企業と就業者が仕事内容や職場環境を事前に理解できるため、入社後のミスマッチを抑えやすい仕組みとなっており、短期的な欠員対応だけでなく、サービス業における継続的な人材確保にも活用できます。


サービス業の人手不足を改善した取り組み事例
ここでは、シェアフルを活用した企業事例を紹介します。人材不足対策は、単に不足人数を埋めるだけでなく、既存従業員の負担軽減、接客品質の向上、長期採用への接続まで含めて設計することが重要です。
飲食業態での事例|株式会社𠮷野家ホールディングス
株式会社𠮷野家ホールディングス各社では、店舗によって求人への応募が集まりにくく、常時募集による採用コストの増加や、ランチタイム・休日など特定時間帯の人材不足が課題となっていました。そこで、新たな採用手法としてスキマバイトサービス「シェアフル」を導入し、午前11時から午後1時までのランチタイムなど、既存従業員だけではシフトが不足する時間帯に絞って人材を確保しています。
シェアフルの導入により、必要な時間帯だけ人材を配置できるようになり、接客や店舗運営の効率化、既存従業員の負担軽減、サービス品質の向上につながりました。また、店舗側が実際の仕事ぶりを確認したうえで長期雇用を案内できるため、採用のミスマッチを抑えながら即戦力となる人材を確保できています。さらに、就業後のレビューを受け入れ体制や社内コミュニケーションの改善にも活用し、継続的な人材確保につなげています。
小売業態での事例|株式会社タイヨー
茨城県を中心にスーパーマーケットを展開する株式会社タイヨーでは、各店舗で早朝の商品補充スタッフが不足しており、応募から就業までに時間がかかることや、履歴書・誓約書などの提出による採用工数も課題となっていました。そこで、早朝の商品補充スタッフの募集にスキマバイトサービス「シェアフル」を導入しました。
導入後は、1日1名、2〜3時間程度の求人を掲載し、応募から最短当日の就業が可能になりました。従来の採用媒体では就業まで最短でも約1週間かかっていたため、採用スピードが大きく向上しています。また、履歴書などの書類提出を省略でき、採用手続きの効率化も実現しました。茨城県や千葉県など人材を集めにくい地域でも安定して応募が集まるようになり、店舗運営を支える人材の確保につながっています。
複合カフェ業態での事例|株式会社快活フロンティア
「快活CLUB」を運営する株式会社快活フロンティアでは、掲載課金型の求人広告を利用しても応募数が安定せず、繁忙時間帯や夜間帯の人材確保に課題を抱えていました。また、面接だけでは清掃やドリンクバー補充、食器洗浄などの仕事内容を十分に伝えきれず、採用後のミスマッチや早期離職も発生していました。
そこで、スキマバイトサービス「シェアフル」を導入し、実際に店舗ではたらいてもらったうえで、仕事内容や職場との相性を双方が確認できる採用へ切り替えました。導入後は、他店舗を含めて1,000〜2,000名規模の人材との接点を獲得し、2025年7月以降は10名以上が長期雇用へ転換しています。10回以上勤務するリピーターも生まれ、教育工数を抑えながら、繁忙時間帯の安定的な人材確保と定着率の向上につなげています。
Q&A|サービス業の人手不足に関するよくある質問

Q. サービス業の人手不足の原因は?
サービス業の人手不足の主な原因は、少子高齢化による労働力人口の減少、他業種と比較した賃金・待遇の差、長時間労働、不規則なシフト、高い離職率、教育体制の不足、業務の属人化、需要回復です。人が対応する業務が多い労働集約型の産業であることも、不足が発生しやすい理由です。
企業は求人掲載を増やすだけでなく、給与やシフト、研修、評価制度、業務プロセスを見直す必要があります。DX・省人化やスポットワークを組み合わせ、採用する人数と、業務に必要な人数の両方を最適化することが重要です。
Q. サービス業で特に人材が不足しやすい職種は?
飲食店のホール・キッチン・洗い場、ホテルや旅館のフロント・客室清掃・朝食対応、小売店のレジ・品出し・販売など、店舗運営に直結する職種で不足が発生しやすい傾向があります。店長候補や教育担当者など、経験とマネジメントスキルが必要な正社員の確保も課題です。
職種名だけで募集するのではなく、業務を細分化し、必要な時間とスキルを明確にしましょう。短時間で任せられる仕事を切り出すことで、アルバイト、パート、スポット人材を活用しやすくなります。
Q. DXや省人化だけで人手不足は解消できる?
DXや省人化だけで人手不足を完全に解消することは難しいものの、必要な人数を抑え、既存従業員の負担を軽減する効果は期待できます。POSレジ、セルフレジ、予約管理、在庫管理、シフト管理、AI、配膳ロボットなどは、繰り返し発生する定型業務の削減に有効です。
一方、顧客の要望をくみ取る接客、クレーム対応、従業員教育などは、人の判断が必要です。自動化する業務と人が担当する業務を分け、採用、定着、人材育成と組み合わせて進めましょう。
まとめ┃サービス業の人手不足は採用・定着・省人化の同時改善で乗り越える
サービス業の人手不足は、少子高齢化、労働力人口の減少、賃金、長時間労働、不規則なシフト、離職率、教育不足、業務の属人化などが重なって発生します。採用活動だけを強化しても、離職が続いたり、現場の業務量が多すぎたりすれば、根本的な解消にはつながりません。
企業は、まず不足している時間帯、業務、雇用形態を把握しましょう。そのうえで、求人票、採用チャネル、賃金・評価制度、シフト、研修、業務分担を見直します。POSレジやシフト管理システム、AIなどを導入し、少人数でも運営できる体制を作ることも重要です。
急な欠員や繁忙期の不足には、スポットワーク・スキマバイトの求人掲載が役立ちます。長期雇用の従業員を中心に据えながら、必要な日や時間だけ外部人材を活用することで、既存従業員の負担を軽減し、サービス品質と売上機会を維持しやすくなります。自社の課題に合わせ、採用、定着、DX・省人化を組み合わせて対策を進めましょう。






