時給とは?企業が知るべき決め方・計算方法・最低賃金との関係を解説

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アルバイトやパートを募集する際、時給は応募数や採用スピードを左右する重要な条件です。一方で、最低賃金を満たしているか、割増賃金を正しく計算できているか、既存スタッフとの賃金バランスに問題がないかなど、企業側が確認すべき点は少なくありません。

時給をなんとなく決めてしまうと、「求人を公開しても応募が集まらない」「採用後に給与計算でトラブルが起きる」「職場内で不公平感が生まれる」といったリスクがあります。特に飲食店、小売店、物流企業、イベント会社など、シフト勤務が多い職場では、時給設計が人材確保と店舗運営の安定に直結します。

この記事では、時給の基本的な意味から、アルバイト・パートスタッフの募集における時給の決め方、最低賃金や割増賃金の考え方、求人情報への記載方法まで、企業の採用担当者向けに解説します。

この記事でわかること
  • 時給とは、1時間あたりの労働に対して企業が支給する賃金であり、採用力やスタッフの定着に影響する
  • 時給を決める際は、最低賃金、地域別の平均、職種、勤務時間、交通費、手当を総合的に確認する必要がある
  • アルバイト・パートでも、1日8時間・週40時間を超える勤務、深夜勤務、法定休日労働では割増賃金の支給が必要になる
  • 求人情報では、時給だけでなく勤務条件、支給条件、昇給、研修、職場環境まで具体的に記載することが応募につながる
目次

【結論】時給とは、1時間あたりの労働に対して支給する賃金

時給とは、労働者が1時間勤務した場合に企業が支給する給与の単価です。たとえば時給1,200円で6時間勤務した場合、基本となる給与は7,200円です。アルバイト、パート、スポットワーク、派遣など、勤務時間に応じて給与を計算する雇用形態で広く使われています。

企業にとって時給は、単なる給与の金額ではありません。求人情報の中でも特に注目されやすい条件であり、応募数、採用率、勤務後のモチベーション、定着率に影響します。相場より低い時給のまま募集すると、求人を掲載しても応募が集まりにくく、採用予定人数を満たせない可能性があります。

時給の基本的な意味と仕組み

時給制では、基本的に「時給額×勤務時間」で給与を計算します。ただし、実際の支給額は勤務時間だけでなく、休憩、交通費、手当、深夜勤務、時間外労働、休日労働などによって変わります。

たとえば、時給1,300円で5時間勤務した場合の基本給は6,500円です。ただし、22時から翌5時までの勤務が含まれる場合は、深夜割増賃金として通常時給の25%以上を上乗せして支給する必要があります。また、1日8時間または週40時間を超える勤務が発生した場合も、時間外労働として割増賃金の対象になります。採用担当者は、求人に記載する時給と実際に支給する給与がずれないよう、勤務時間帯や残業の有無を踏まえて、勤怠管理と給与計算のルールを整えておくことが大切です。

時給制が使われやすい雇用形態

時給制は、アルバイト、パート、スポットワーク、派遣などで使われやすい給与形態です。飲食店や小売店など、勤務時間をシフトで管理しやすい職種と相性が良いです。

シフト制を採用している職場では、来客数や業務量に応じて、曜日や時間帯ごとに必要なスタッフ数が変動します。時給制であれば、実際に勤務した時間に応じて給与を計算できるため、短時間勤務やシフト変更、欠員対応にも柔軟に対応しやすくなります。そのため、勤務時間が一定ではないアルバイト・パートの採用では、月給制よりも時給制のほうが運用しやすいケースが多いといえます。

企業にとって時給設定が採用に与える影響

時給は、求人が選択されるかどうかを左右する代表的な条件です。同じエリア、同じ職種、同じ勤務時間の求人が並んだ場合、時給や交通費、シフトの柔軟性は比較されやすくなります。

一方で、時給を高くすれば必ず採用できるわけではありません。仕事内容が曖昧、勤務条件が厳しい、研修や教育体制が見えない、職場環境が伝わらない場合は、応募につながりにくいこともあります。時給は採用力を高める重要な要素ですが、求人情報全体の設計と合わせて考える必要があります。

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アルバイト・パート募集における時給の決め方

アルバイト・パートの時給は、最低賃金を満たすだけでなく、採用市場で選ばれる水準に設定する必要があります。具体的には、同じエリアの平均時給、職種ごとの相場、勤務条件、必要なスキル、採用したい人材層を踏まえて決めます。

時給が相場より低い場合、求人の表示回数があっても応募につながりにくくなります。一方で、時給を高くしすぎると採用コストや既存スタッフとの賃金バランスに影響します。自社の採用目的に合わせて、無理のない金額を設計しましょう。

まずは最低賃金を確認する

時給を設定する際、企業が最初に確認すべきなのは最低賃金です。最低賃金は、企業が労働者に支払わなければならない賃金の下限であり、アルバイトやパートにも適用されます。

最低賃金を下回る時給で勤務させた場合、法令違反となる可能性があります。求人公開日や契約更新時点で最新の最低賃金を確認し、自社の求人情報や給与計算に反映しましょう。

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近隣同業他社の求人情報を調査する

まずは、自社と同じエリア、同じ職種、同じ勤務時間帯の求人情報を調査します。求人媒体や求人検索サイトで、近隣店舗の時給、交通費、土日祝手当、昇給、未経験OKの記載、研修の有無を確認すると、現在の相場を把握しやすくなります。

このとき、時給の平均だけを見るのではなく、応募されやすい求人の条件まで確認することが重要です。たとえば、時給は同程度でも、駅から徒歩5分、シフト提出が柔軟、研修あり、短時間勤務OKなどの条件がある求人は選ばれやすくなります。

労働市場の相場を確認する

労働市場の現状によって、必要な時給は変動します。採用競争が激しいエリアや、人気が高い時間帯にスタッフを確保したい場合は、最低賃金を少し上回る程度では応募が集まりにくい可能性があります。

特に、深夜、早朝、土日祝、繁忙期、急募、大量募集などは、通常より採用難易度が上がりやすい条件です。求人を公開しても応募が少ない場合は、時給だけでなく、勤務時間、期間、仕事内容、シフト条件も含めて見直す必要があります。

職種・業務内容・必要スキルで金額を調整する

時給は職種によっても変わります。飲食店のホール、キッチン、販売、事務、軽作業、教育・講師など、仕事の内容や必要な知識、研修負担によって適切な金額は異なります。

未経験歓迎の仕事であっても、覚える業務が多い、接客品質が求められる、短期間で即戦力化が必要といった場合は、時給や手当で魅力を補う方法があります。反対に、業務内容がシンプルで勤務時間も選びやすい場合は、時給以外の条件で応募を促せる可能性があります。

勤務地・交通アクセス・勤務時間を考慮する

勤務地の利便性も時給設定に影響します。駅から徒歩圏内の店舗や、商業施設内の職場は通勤しやすく、応募が集まりやすい傾向があります。一方で、交通アクセスが悪い勤務地では、交通費支給や時給アップで条件を補う必要が出てきます。

また、勤務時間も重要です。早朝、深夜、短時間、長時間、土日祝のみなど、就業者を集めにくい時間帯では、通常の時給より高めの金額や手当を設定したほうが効果的な場合があります。

採用したい人材に合わせて条件を設計する

採用したい人材によって、重視される条件は異なります。学生を採用したい場合は、授業や予定に合わせやすいシフトが重要です。主婦層には短時間勤務、扶養内勤務、平日昼間のシフトが合いやすく、ミドル層には安定した勤務時間や職場環境の情報が響きやすくなります。

企業側は、単に「時給が高い求人」を作るのではなく、採用したい人材が応募しやすい条件を整える必要があります。時給、シフト、勤務地、研修、職場の雰囲気をセットで伝えることで、応募後のミスマッチも防ぎやすくなります。

【実態調査データ】年齢層が若いほど、時給を最も重要視している方の割合は高い

シェアフルの調査では、年齢層が若いほど、仕事選びで時給を最も重要視する方の割合が高い傾向が示されています。学生や若年層を採用したい企業にとって、時給は特に注目されやすいキーワードといえるでしょう。

一方で、すべての層が時給だけで求人を選ぶわけではありません。勤務時間の柔軟性、勤務地、交通費、仕事内容、職場環境、未経験歓迎、研修制度なども応募判断に影響します。調査データを参考にしながら、自社が採用したい人材に合わせて条件を組み合わせることが大切です。

シェアフル株式会社が実施したスキマバイトリサーチ「時給」に関する実態調査を実施より、「性別・年代別「時給を重要視しているか」」

男女ともに、年代が下がるにつれ「時給を最も重要視している」と回答した方の割合が高くなった。特に、10代男性のうち40%の方が「時給を最も重要視している」と回答した。

[出所]シェアフル株式会社「『シェアフル』スキマバイトリサーチ 、「時給」に関する実態調査を実施」
https://sharefull.com/content/press/17655/

時給計算の基本方法

時給制の給与は、基本的に「時給×勤務時間」で計算します。ただし、実務では休憩時間、端数処理、交通費、手当、昇給、深夜勤務、時間外労働などを正しく反映する必要があります。

給与計算のルールが曖昧だと、従業員からの問い合わせや支給ミスにつながります。特にアルバイトやパートの人数が多い店舗では、勤怠データと給与計算の仕組みを整え、誰が確認しても同じ計算結果になる状態を作りましょう。

基本給の計算方法

基本給は「時給×実際の勤務時間」で算出します。たとえば、時給1,200円で1日6時間勤務した場合、基本給は7,200円です。週3日勤務であれば、1週間の基本給は21,600円となります。

求人情報には、時給だけでなく、1日の勤務時間や収入目安を記載すると、応募前に条件を理解してもらいやすくなります。企業側にとっても、勤務時間と給与のイメージを明確にすることで、採用後の認識違いを防ぎやすくなります。

15分・30分単位の端数処理で注意すべきこと

勤怠管理で15分単位、30分単位を使っている企業もありますが、実際の労働時間を企業都合で一律に切り捨てる運用は避ける必要があります。勤務実態より短い時間で給与を計算すると、未払い賃金の問題につながる可能性があります。

たとえば、実際には6時間10分勤務しているのに、毎回6時間として計算するような運用は注意が必要です。勤怠打刻、休憩、残業申請のルールを明確にし、実際の勤務時間に応じて適切に支給しましょう。

休憩時間は給与計算に含まれるか

休憩時間は、原則として労働時間には含まれません。そのため、時給計算の対象外となります。たとえば、拘束時間が7時間で休憩が1時間ある場合、給与計算の対象となる勤務時間は6時間です。

ただし、休憩中も電話対応や来客対応を求められるなど、実質的に自由に休めない状態であれば、労働時間と判断される可能性があります。店舗責任者は、休憩時間を形式だけで設定するのではなく、実際に休憩できる体制を整える必要があります。

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交通費・手当・昇給をどう扱うか

交通費や各種手当は、時給とは別に支給するケースが多くあります。求人原稿では「交通費支給」「上限あり」「土日祝手当あり」「深夜手当あり」「昇給あり」など、支給条件を具体的に記載しましょう。

昇給制度がある場合は、どのような基準で時給アップするのかを明確にすると、スタッフのモチベーション維持にもつながります。研修後に時給が上がる、担当できる仕事が増えると昇給するなど、納得感のある制度設計が重要です。

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割増賃金が必要になるケース

アルバイト・パートであっても、勤務条件によって割増賃金の支給が必要です。代表的なケースは、時間外労働、深夜勤務、法定休日労働です。これらを正しく把握していないと、給与計算ミスや労務トラブルにつながります。

繁忙期や急募対応では、通常より長い勤務時間を依頼する場面もあります。シフトを作成する段階で、1日や週の勤務時間が法定労働時間を超えないか、深夜帯に該当しないかを確認しておきましょう。

1日8時間・週40時間を超える勤務

原則として、1日8時間または週40時間を超える労働には、時間外労働として割増賃金が必要です。アルバイト・パートであってもこの考え方は同じです。

たとえば、イベント対応や繁忙期の店舗運営で1日9時間勤務を依頼する場合、超過した時間について割増賃金の対象になる可能性があります。シフト作成時に勤務時間を確認し、給与計算へ正しく反映することが求められます。

22時から翌5時までの深夜勤務

22時から翌5時までの勤務には、深夜割増賃金が必要です。飲食店、コンビニ、物流、イベント、清掃など、深夜帯の勤務が発生する職場では、通常時給と深夜時給を分けて管理する必要があります。

求人情報では、深夜勤務がある場合に「22時以降は深夜時給」「割増後の金額」などを明確に記載しましょう。金額や条件が曖昧だと、応募前の判断が難しくなり、採用後の問い合わせにもつながります。

休日出勤やシフト外勤務の扱い

シフト外の日に勤務を依頼する場合、すべてが休日労働になるわけではありません。法定休日に該当するか、所定休日なのかによって、割増賃金の扱いが変わります。

そのため、企業は休日の設定、勤務予定、実際の勤務実績を正確に管理する必要があります。単に「予定外に出勤した」という理由だけで判断せず、労働日と休日のルールを社内で統一しておきましょう。

再出勤・日をまたぐ勤務の注意点

一度退勤した後に再出勤する場合や、24時を超えて勤務する場合は、勤務時間の集計方法に注意が必要です。深夜割増や時間外労働の対象になる可能性があるため、勤怠データを正確に確認しましょう。

特に店舗運営では、閉店作業、棚卸し、イベント後の片付けなどで予定より勤務時間が延びることがあります。現場判断だけに任せず、残業や再出勤の承認フローを整えておくと、給与計算のミスを防ぎやすくなります。

時給制・日給制・月給制の違い

給与形態には、時給制、日給制、月給制があります。それぞれ給与の計算方法や採用時の見せ方が異なるため、雇用形態や仕事内容に合わせて選択することが大切です。

短時間勤務やシフト制の仕事では時給制が使いやすく、1日単位で業務量が決まっている仕事では日給制が合う場合があります。長期的に安定した勤務を前提とする場合は、月給制が適しているケースもあります。

時給制と日給制の違い

時給制は、勤務した時間に応じて給与を計算します。勤務時間が短ければ支給額は少なくなり、長ければ多くなります。短時間勤務、土日祝のみ、週数回の勤務など、柔軟なシフトに対応しやすい点が特徴です。

日給制は、1日単位で給与を設定する方法です。1日の業務内容や拘束時間がある程度決まっている仕事では管理しやすい一方、実際の勤務時間が想定より長くなる場合は、割増賃金や追加支給の確認が必要です。

時給制と月給制の違い

月給制は、毎月一定の給与を支給する形です。収入の安定性を訴求しやすく、長期雇用や固定シフトの職種と相性があります。一方で、勤務時間が変動しやすいアルバイト・パート募集では、時給制のほうが実態に合わせて管理しやすい場合があります。

企業が求人を作成する際は、雇用形態だけで給与形態を決めるのではなく、勤務日数、勤務時間、業務内容、採用期間を踏まえて選択しましょう。求める人材像に合った給与形態を選ぶことで、採用後のミスマッチを抑えられます。

採用目的に応じた給与形態の選び方

繁忙期の短期募集、欠員対応、イベント対応、土日祝のみの勤務、短時間シフトでは、時給制が活用しやすい傾向があります。必要な時間だけ勤務してもらえるため、企業側も給与を管理しやすくなります。

一方で、長期的に固定メンバーを確保したい場合は、月給制や固定シフトとの組み合わせも検討できます。採用目的が「一時的な人材確保」なのか「継続的な戦力化」なのかを整理し、給与形態を選びましょう。

時給を高く設定するメリット・デメリット

時給を高く設定すると、求人の注目度が高まり、応募数や採用スピードの向上が期待できます。急募や大量募集では、相場より魅力的な時給が採用成功につながることもあります。

ただし、時給アップには採用コストや既存スタッフとの賃金バランスという課題もあります。時給だけを上げるのではなく、募集期間、必要人数、勤務時間、職場内の公平性まで考えて設計することが重要です。

メリット:応募数・採用率の向上につながる

時給は求人情報の中でも比較されやすい項目です。相場より魅力的な金額を提示できれば、応募の候補に入りやすくなります。特に、急募、短期、深夜、土日祝、大量募集などでは、時給の高さが応募を後押しする可能性があります。

また、求人媒体上で「高収入」「時給アップ」などのキーワードが注目されることもあります。ただし、表現だけを強くするのではなく、具体的な金額や支給条件を明確に記載することが大切です。

メリット:スタッフのモチベーション維持につながる

適切な時給や昇給制度は、スタッフのモチベーション維持にもつながります。業務内容、責任範囲、スキルに見合った給与が支給されていると、職場への納得感が高まりやすくなります。

たとえば、研修を終えたら時給が上がる、担当できる仕事が増えると手当がつく、土日祝勤務に追加支給があるといった制度は、勤務品質の向上にもつながります。採用だけでなく定着まで見据えた時給設計が重要です。

デメリット:採用コスト・人件費が上がる

時給を上げると、当然ながら給与支給額は増えます。長時間勤務や大量募集を行う場合、少しの時給アップでも全体の採用コストに大きく影響することがあります。

そのため、すべての時間帯で一律に時給を上げるのではなく、人材が不足している曜日や時間帯、採用難易度が高い職種に絞って調整する方法も有効です。シフトと必要人数から逆算して、費用対効果の高い募集を行いましょう。

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デメリット:既存スタッフとの賃金バランスにより不公平感につながる可能性

新規募集の時給だけを高くすると、既存スタッフとの賃金差が生じ、不公平感につながる可能性があります。長く勤務しているスタッフより、新しく入ったスタッフの時給が高い状態が続くと、職場のモチベーション低下を招くこともあります。

時給を見直す際は、新規採用だけでなく、既存スタッフの昇給ルールや手当も確認しましょう。職場全体で納得されやすい賃金設計にすることで、採用後の定着にもつながります。

時給設定で企業が注意すべきポイント

時給設定では、最低賃金、地域別の相場、職種、勤務時間、採用コスト、職場内の公平性を総合的に考える必要があります。単に高い金額を出すだけでは、安定した採用につながるとは限りません。

求人情報の見せ方や、実際の勤務条件との整合性も重要です。時給が魅力的でも、仕事内容が不明確だったり、勤務条件が厳しかったりすると、応募や定着に影響します。

最低賃金と労働条件を定期的に見直す

最低賃金は改定されるため、企業は定期的に確認する必要があります。過去に作成した求人原稿をそのまま使っている場合、最新の最低賃金や労働市場の相場とずれている可能性があります。

求人公開日、契約更新、給与改定、店舗の新規募集などのタイミングで、時給や勤務条件を見直しましょう。複数の支店を展開している企業では、エリアごとのチェック体制を作ることも大切です。

シフトと必要人材数から逆算する

採用計画では、まずシフト上でどの曜日、どの時間帯、どの職種の人材が不足しているかを明確にします。必要な時間帯が整理できていないまま募集すると、採用コストが膨らみやすくなります。

たとえば、平日昼間は足りているが土日祝の夕方だけ不足している場合、その時間帯に絞って時給や手当を調整する方法があります。自社のシフト状況をもとに、必要な期間だけ募集することで、効率的な人材確保につながります。

時給以外の条件も改善する

応募数を増やすには、時給だけでなく、勤務時間の柔軟性、交通費、研修制度、職場環境、シフト提出方法、未経験OKの範囲なども見直す必要があります。時給アップが難しい場合でも、はたらきやすい条件を整えることで採用力を高められます。

たとえば、1日3時間から勤務OK、週1日から相談可能、駅から徒歩圏内、研修あり、制服貸与、メールでシフト相談可能など、応募前に安心できる情報を記載すると、求人の魅力が伝わりやすくなります。

採用後の定着まで見据える

高い時給で採用できても、仕事内容や職場環境とのギャップが大きいと定着につながりにくくなります。求人情報には、実際の業務内容、勤務時間、研修、職場の雰囲気をできるだけ具体的に記載しましょう。

採用後は、初回勤務時の教育、業務説明、フォロー体制も重要です。時給は応募のきっかけになりますが、継続してはたらいてもらうには、現場での受け入れ体制まで整える必要があります。

時給に関してよくある質問

ここでは、企業の採用担当者や店舗責任者が時給設定や給与計算で迷いやすい疑問をQ&A形式で解説します。求人情報の作成前や、アルバイト・パート募集の条件を見直す際の参考にしてください。

アルバイト・パートの時給は最低賃金と同じでも問題ありませんか?

最低賃金を下回らなければ、法令上の下限は満たします。ただし、最低賃金と同じ時給で採用できるかどうかは別問題です。同じエリアや同じ職種の平均時給と比べて低い場合、応募が集まりにくくなる可能性があります。

特に、土日祝、深夜、急募、短期、大量募集などの条件では、最低賃金に近い金額だけでは採用競争で不利になることがあります。最低賃金を基準にしつつ、労働市場の相場や自社の採用状況を踏まえて調整しましょう。

交通費は時給に含めてもよいですか?

交通費をどのように扱うかは、求人情報で明確に示すことが重要です。時給とは別に支給するのか、上限があるのか、一律支給なのか、徒歩や自転車通勤の場合はどうなるのかを具体的に記載しましょう。

交通費の記載が曖昧だと、応募後や採用後に認識違いが起きる可能性があります。時給が同じ求人であれば、交通費支給の有無は応募判断に影響しやすいため、企業側はできるだけ分かりやすく条件を整える必要があります。

深夜勤務の時給はどのように計算しますか?

22時から翌5時までの勤務には、深夜割増賃金が必要です。通常時給に割増分を加えて計算するため、深夜帯の求人では通常時給と深夜時給を分けて記載すると分かりやすくなります。

たとえば、通常時給が1,200円の場合、深夜割増を含めた時給は1,500円以上になります。深夜帯の勤務がある職場では、給与計算だけでなく、求人原稿にも支給条件を明確に記載しておきましょう。

[参照]
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501860.pdf

時給を上げても応募が増えない場合はどうすればよいですか?

時給を上げても応募が増えない場合は、仕事内容、勤務時間、シフト条件、勤務地、交通費、職場環境、研修制度などを見直す必要があります。求人原稿のキーワードやタイトル、具体的な仕事内容の記載が不足している可能性もあります。

応募につなげるには、採用したい人材にとって魅力的な条件を整理し、求人情報で分かりやすく伝えることが大切です。時給だけに頼らず、はたらきやすさや職場の安心感も含めて改善しましょう。

短期・単発募集の時給は通常募集より高くすべきですか?

短期・単発募集では、勤務までの期間が短く、条件に合う人材を早く確保する必要があるため、相場より高めの時給設定が有効な場合があります。特に急募、土日祝、深夜、イベント、繁忙期対応では、時給や手当の調整が応募につながることがあります。

ただし、採用コストとのバランスも重要です。必要な日時、職種、勤務時間を絞って募集すれば、全体の費用を抑えながら人材を確保しやすくなります。

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まとめ┃時給は最低賃金・相場・採用条件を踏まえて設計することが重要

時給とは、1時間あたりの労働に対して企業が支給する賃金です。アルバイト・パート募集では、求人情報の中でも特に注目されやすい条件であり、応募数、採用率、スタッフのモチベーション、定着率に大きく影響します。

企業は、最低賃金を守るだけでなく、地域別の平均、職種、勤務時間、交通費、手当、労働市場の現状を踏まえて時給を設定する必要があります。また、1日8時間・週40時間を超える勤務や深夜勤務では、割増賃金の支給が必要になるため、給与計算のルールも整えておきましょう。

採用コストを抑えながら必要な人材を確保するには、シフト上で不足している時間帯を明確にし、必要な期間だけ求人を出す方法が有効です。時給、勤務条件、求人原稿、受け入れ体制を総合的に見直すことで、応募につながりやすく、採用後も定着しやすい募集設計ができます。

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