求人コストとは?費用相場や一人当たりの単価を抑えるコツを解説

求人コストは、費用対効果が高い求人媒体を選ぶ上で特に意識したいポイントです。

ただし、求人コストの相場には、採用区分や媒体の種類などの要素で開きが生じやすい傾向があります。そのため、求人コストをなるべく抑えたい場合は、適切な流れで媒体の選定準備を進めていくことが大切です。

今回は、求人コストの概要を確認した上で、採用区分別・媒体別・課金形態別の求人コスト相場を紹介します。後半では、求人コストを抑えて費用対効果を高めるポイントも解説しています。

目次

求人コストとは

求人コストに、制度上などの厳密な定義はありません。一般的には「求人媒体への掲載にかかる費用」であり、採用活動にかかる総コスト(採用コスト)の一部になります。求人広告費用などと呼ばれたりもするでしょう。

媒体選びの基準となる一人当たりの求人コスト

費用対効果の高い求人媒体選びや、出稿メディアの成否判断をしていく中では、「求人広告単価」を目安にすることも1つです。求人広告単価とは、一人の採用にかかる求人コストのことです。以下の計算式で算出できるでしょう。

【求人広告単価(一人の採用にかかる求人コスト)】=求人広告費総額÷採用人数

詳細は後述しますが、求人媒体にはさまざまな種類があります。また、求人媒体の効果は、自社が求める人材が獲得できてこそ見えてくる部分となるため、たとえば「契約金額100万円」といった数字だけで費用対効果をはかることは難しいでしょう。

こうした中で、求人媒体の選定や成否の判断をしていくためには、一人当たりの採用にかかる求人コスト(求人広告単価)に着目することも大切になってきます。

なお、求人広告単価は、業種・職種・企業が獲得したい人材の影響を強く受けるものです。中途採用の場合、一人当たり30万円前後が目安とされていますが、たとえばIT・web・インターネット分野などでは業界全体での人手不足が著しく、売り手市場になっていることから、求人広告単価も10万円ほど上がりやすい傾向があるようです。

こうした背景から、求人媒体の費用対効果を考えるときには、求人広告単価はあくまでも目安と位置づけ、たとえば「自社に合う人材が獲得できたか?」などの要素を含めた総合的な視点で見ていく必要があるでしょう。

採用区分別の求人コストと相場

求人コストの相場は、採用区分や利用媒体などの要素に左右されるものです。ここで以下の採用区分別に費用相場を紹介しましょう。

・新卒採用
・中途採用
・アルバイト・パートタイム採用

新卒採用における求人コストの相場

新卒採用における求人コストの相場は、年間40万~300万円程度です。これだけ多くのお金が必要になる理由は、新卒採用の期間はほかの区分と比べてとても長く、多くの場合年単位になるからです。

また、さまざまな企業の求人が掲載されるサイト内で、自社の求人を「上位表示させたい」「目立たせたい」といったニーズに応えた場合、そのサービス分が加算されるなどの理由から、価格も上がりやすくなるでしょう。

中途採用における求人コストの相場

中途採用の場合、求人コストの相場は月に20万~100万円程度です。この数字は、先述の新卒と単純比較できるものではありません。

しかし中途採用では「欠員補充」や「新店舗のオープニングスタッフ」などの背景で短期募集するケースが多いことから、総額で見たときに新卒採用よりも低くなることが一般的でしょう。

ただし、近年では、中途採用における求人コストの相場も多くの職種で上昇傾向にあるようです。

アルバイト・パートタイマー採用における求人コストの相場

アルバイトとパートタイマーの採用となると、先述の新卒・中途採用と比べてかなり相場が下がり1カ月で2万~40万円ほどになります。

アルバイト・パートタイマー採用の場合、「シフトに柔軟に入ってくれるか?」や「必要な人数を集められるか?」などを重視することが多いです。求人掲載期間も短く、その理由から費用を抑えられるケースが一般的です。

媒体別の求人コストと相場

求人媒体には、「web媒体」と「紙媒体」があります。この両者のコストにも大きな開きが出ることが多いです。詳しく見ていきましょう。

Web媒体における求人コストの相場

web媒体とは、いわゆる求人サイトと呼ばれるものが中心です。求人サイトとは、求人広告を出す企業と就職・転職者をつなぐサービスの総称です。応募者側の視点で見ると、就職サイトや転職サイトと呼ばれるものがそれにあたります。

先述の採用区分別の項目で紹介した採用コストの相場は、web媒体の相場と考えて良いでしょう。

・【新卒求人】1年間40万~300万円
・【中途求人】1カ月20万~100万円
・【アルバイト・パートタイマー求人】2万~40万円

紙媒体における求人コストの相場

紙媒体とは、いわゆる新聞折込チラシや求人情報誌、フリーペーパーなどのことです。紙媒体の相場は、先述のweb媒体と比べて低水準です。一般的には、折込チラシが5万~10万円、求人情報誌やフリーペーパーが5万~50万円ほどになるでしょう。

紙媒体の費用は、配布エリア・部数・自社求人を掲載するスペースの大きさなどの影響を受けやすいです。

課金形態別の求人コストと相場

web上で求職者を募る求人媒体の場合、各サイトの料金体系や課金形態ごとにお金のかかり方が変わります。一般的な課金形態は、以下の4つです。

・掲載課金型
・クリック課金型
・成功報酬型
・完全無料型

ここでは、各種類の概要と一般的な相場感を紹介します。

掲載課金型の特徴と求人コストの相場

掲載課金型とは、特定期間の掲載求人に料金が発生する仕組みです。この種類の媒体を利用する場合は、求人掲載時に広告費を支払うことになります。

掲載課金型の場合、最初にお金を払っているため求人コストが採用人数に左右されません。ただし、仮に誰からも応募がなかったり、自社のニーズとのミスマッチで採用に至らかったりする場合、費用が無駄になるおそれがあります。

掲載課金型における求人コストの相場は、以下のとおりです。

・【新卒】80万~300万円/年
・【中途】20万~100万円/月
・【アルバイト・パートタイマー】2万~40万円/月

クリック課金型の特徴と求人コストの相場

クリック課金型は、求人情報がクリックされたときに料金が発生するものです。求人検索エンジンに求人広告を出すときに適用されます。

クリック課金型のメリットは、掲載課金型のような掛け捨てが発生しづらい点です。ただし、求人が何度もクリックされているのにもかかわらず、応募者があまり集まらない場合、成果につながらないコストが発生しやすくなります。

そういう意味で、クリック課金型の求人広告を選択する場合は、求人のクリックから応募につながる工夫や一定の運用ノウハウが必要になるでしょう。

クリック課金型における求人コストの相場は、1クリックにつき50~700円ほどになります。

成果報酬型の特徴と求人コストの相場

成果報酬型は、「求人広告から応募が入った」や「求人サイトから応募した人の入社が決まった」などの成果が出たときに、費用が発生する仕組みです。

費用決定につながる「何を成果をするのか?」は、サービスや契約内容によって異なります。

成果報酬型のメリットは、成果が得られなければ費用がかからない点です。こうした特徴から、採用予算を無駄なく使い切れるでしょう。

成果報酬型の場合、ほかの種類と比べてコストが高めです。企業によっては、これがデメリットに感じられるかもしれません。一般的な費用相場は、以下のとおりです。

・【新卒】一人の採用で50万~100万円
・【中途】一人の採用で30万~120万円
・【アルバイト】一人の応募で0.6~5万円、一人の採用で4万~20万円

完全無料型の特徴と求人コストの相場

完全無料型は、その名のとおり求人広告の掲載から人材採用に至るまで、まったくお金がかからない種類です。

完全無料型は気軽に使える上に、浮いた費用を説明会・面接・内定者フォローといったほかの採用活動に充てられるメリットもあります。

ただし、完全無料型の場合、一般の求人媒体で行われている「自社の魅力付けにつながる求人原稿の作成」などのサービスもなく、多くの場合、自社の求人が埋もれやすくなります。

求人コストを抑えて費用対効果を高めるポイント

求人コストは、工夫次第で抑えられるものです。ただし、求人媒体に払う費用を抑えすぎて、採用活動の効果が低下しては本末転倒です。

ここでは、求人媒体に払う費用を適度に抑えながら高い成果を出すためのポイントを解説しましょう。

現状分析を通して採用課題を洗い出す

求人広告の成果は「人材を獲得さえすればOK」ではありません。たとえば、多くのお金をかけて採用したものの「人材が自社と合わず、たった1カ月で辞めてしまう」といった問題を繰り返していては、それは「成果があった」とはいえないでしょう。

こうした中で採用企業が最初に考えるべきことは、求人媒体の活用後の効果・成果が「具体的にどういう状態なのか?」という点です。これらは、求人媒体の活用で得られるゴールや目標になるでしょう。

ゴールや目標を明確にするためには、まず自社の人材や採用に関する課題を洗い出す作業が必要になります。具体的には、以下のような課題が明確になることで、そこからゴール・目標の設定が可能になるイメージです。

・広告費用の総額が高すぎる
・一人当たりの求人広告単価が高すぎる
・いま使っている媒体の母集団形成力が弱い
・求人を出しても選考応募数が少ない
・母集団形成ができていて選考応募数も多いが、内定承諾率が低い など

たとえば、「求人を出しても選考応募数が少ない」場合、求人コストと併せて選考応募数を増やす仕組みやサポート体制が充実した媒体を選ぶことが大切になります。

採用ターゲットを明確にする

各求人媒体と自社の採用ニーズをマッチさせるためには、求める人材像(採用ターゲット)・人数・採用期間などをできるだけ詳しく言語化することが大切です。

具体的な人材像とは、たとえば「宮城県仙台市に新たな営業拠点をつくるため、仙台エリア在住で営業経験◯年程度の若手人材がほしい」などになるでしょう。

各媒体の特徴を知り自社に合う媒体を選ぶ

求人広告媒体には、以下のようにそれぞれに特徴や得意分野があります。

・東北エリアに特化
・30代までの若手人材が中心
・エンジニア求人に特化
・ベンチャー企業求人に強い
・第二新卒に強い

費用対効果の高い求人媒体を選ぶためには、上記のような各媒体の特徴・得意不得意・機能などを理解した上で、自社が求める効果が得られそうなものを見つけることが大切です。

たとえば「宮城県仙台市に新たな営業拠点をつくるため、営業経験◯年程度の若手人材がほしい」という人材像を言語化した場合、自社に合う求人媒体の特徴として「東北エリア」に強く「多くの若手人材が登録しているもの」といった特徴が見えてくるでしょう。

自社に合う場所に広告を出してこそ、費用対効果の高い採用活動が可能になります。

効果測定を行う

選んだ媒体に広告を出し、ひととおりの採用活動を終えたら、得られた成果や課題を分析し、そこで得た気づきを次の媒体選定や採用活動につなげていきます。この一連の流れを、PDCAサイクルと呼ぶことがあります。

・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(測定・評価)
・Action(対策・改善)

PDCAをまわす理由は、求人媒体は「一度選んで終わり(それが完全正解)」とは限らないからです。これだけたくさんの求人媒体から自社とマッチし、求人コストをさらに下げられるものを見つけるためには、効果測定や評価を行い、そこで見つかった新たな課題や改善できるものを探す必要があります。

求人コストを抑えて費用対効果を高めよう

費用対効果の高い求人媒体選びや成否の判断をする上では、一人当たりの求人コストである「求人広告単価」を目安にするのも1つです。

ただし、求人コストには、採用区分・媒体の種類・課金形態によって相場に開きが生じやすい特徴があります。また、求人を出す上でかかる費用は「安ければ安いほどいい」という単純な話ではありません。自社の採用目標やゴールにつながる費用対効果も見ていく必要があるでしょう。

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この記事を書いた人

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