扶養内で副業できる収入はいくらまで?注意点を徹底解説

はじめに
「扶養に入っているけど、少しでも家計の足しに副業したい…」
「130万円とか106万円とか“壁”がいろいろあって、正直よく分からない…」
この記事では、そんな悩みを持つ方に向けて、扶養に入ったまま副業をする場合の収入目安や注意点を、わかりやすく解説していきます!扶養内で副業する際に知っておきたい「社会保険」や「税金」のルールを、2026年時点で確認しておきたい制度内容に沿って整理し、副業の具体的なパターンやおすすめのはたらき方、始める前に確認すべき注意点までをまとめて解説します。
所得税については、2025年分以後の税制改正の内容も反映しているため、以前よく見かけた「103万円の壁」だけで判断しないことが大切です。
- 扶養内で副業するなら、2026年時点では社会保険の扶養「130万円」、税制上の扶養「123万円」「160万円」の壁を理解することが大切
- 副業収入には給与や業務委託報酬、ネット販売の利益なども含まれるため、年収管理が必要
- 扶養を外れると手取りが減る場合もあるが、社会保険加入で将来の年金や保障が手厚くなる可能性もある
扶養内で副業するとは?基礎知識と前提条件
そもそも「扶養」とは?(社会保険・税金の違い)
「扶養」とは、主に配偶者や家族が加入する健康保険や税制度の中で、一定条件を満たせば被扶養者として扱われる制度のことです。ここで押さえるべきなのは、「社会保険上の扶養」と「税制上の扶養」は基準が異なるという点です。
- 社会保険:健康保険や年金に関する基準で、一般的には年収130万円未満が目安です。第3号被保険者は、厚生年金加入者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、年収130万円未満かつ配偶者の年収の2分の1未満などの要件があります。
なお、2026年4月以降は、扶養認定における年間収入の確認方法について、一部取扱いの見直しが行われています。 - 税制上の扶養:配偶者控除や配偶者特別控除に関わる基準です。2025年分以後の所得税では、給与収入のみの場合、配偶者控除の目安は年収123万円以下です。
それぞれの扶養基準を正確に理解していないと、「扶養内だと思っていたのに外れてしまった」「税金が思ったより高かった」といったトラブルの原因にもなりかねません。
「副業」と「扶養」の関係はなぜ重要?
副業で収入が増えると、扶養から外れる可能性があります。扶養を外れると、社会保険料の負担が発生し、結果として手取りが減ってしまうこともあります。
たとえば、月に3万円稼げば年間で36万円の副業収入になりますが、扶養の基準を超えた場合は社会保険への加入対象となるケースがあります。その場合、保険料の支払いによって手取りが減少するだけでなく、所得税や住民税の負担も増える可能性が出てきます。
副業収入が増えると一見生活が豊かになるように見えますが、実際には「手取り収入が思ったより増えない」状態に陥ることもあるため、収入管理と扶養の壁の理解が非常に重要です。
「扶養内副業」が注目されている理由
近年、物価上昇やライフスタイルの多様化により「少しでも収入を増やしたい」と考える人が増えています。電気代や食費などの生活コストが上がる中で、限られた時間の中でも副収入を得たいというニーズは高まっています。
また、在宅でできる仕事や単発バイト、スキマ時間を活用したはたらき方が増えたことで、扶養内で無理なくはたらける選択肢も広がっています。
子育て中の方や介護を担っている方にとっても、時間や体力に制限がある中で自分のペースで収入を得られる手段として、「扶養内副業」は非常に有効です。さらに、企業側でも副業を解禁・推進する動きが進み、社会全体として副業に対する理解と受け入れが広がってきています。これまで以上に、ライフスタイルに合わせた柔軟なはたらき方が実現しやすくなっています。
▶家でできるバイトについて詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。

扶養内で副業できる年収はいくらまで?【2026年最新版】

社会保険の扶養|130万円と週20時間の考え方
社会保険上の扶養は、一般的に年収130万円未満がひとつの目安です。配偶者の健康保険の被扶養者でいる場合や、第3号被保険者でいる場合には、この基準が重要になります。ただし、パートやアルバイトとして働く場合は、年収130万円に達していなくても、勤務先で社会保険の加入対象になると、配偶者の扶養から外れることがあります。いわゆる「106万円の壁」はこの場面でよく使われる言葉で、現行では、一定の条件を満たした短時間労働者が勤務先の健康保険・厚生年金保険に加入する基準のひとつとして意識されています。
現在、短時間労働者が社会保険に加入する主な要件は、
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8.8万円以上
- 2か月を超えて働く見込みがあること
- 学生でないことに加え、勤務先が一定規模以上の企業等であること
- 現時点では、企業規模要件は被保険者数51人以上の企業等
が基準となっています。
一方で、この仕組みは今後見直される予定です。厚生労働省は、短時間労働者について、企業規模要件を段階的に縮小し、将来的に撤廃する方針を示しています。また、月額8.8万円以上という賃金要件についても、2026年10月頃の撤廃に向けた見直しが進められており、当該賃金要件の撤廃時期については、最低賃金の動向等を踏まえて判断される予定です。これにより、将来的には「106万円の壁」は現在と同じ形では残らず、週20時間以上働くことがより大きな判断基準になっていく見込みです。
企業規模要件については、段階的に適用対象を拡大する形で見直しが進められる予定で、2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上の企業等へと対象が広がります。日本年金機構の案内では、現時点でこのスケジュールが示されています。
この違いを知らずに勤務時間や収入を増やしてしまうと、知らないうちに扶養から外れてしまうこともあります。とくに、年収130万円の基準と、勤務先で社会保険に加入する基準は別のルールで運用されているため、どちらに該当するのかを事前に確認しておくことが大切です。
なお、年収130万円を一時的に超えた場合でも、人手不足による一時的な労働時間延長などの事情があり、事業主の証明がある場合には、一定の条件のもと、例外的に扶養の継続が認められるケースがあります。この取扱いは、厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」でも案内されています。
また、2026年4月からは、労働条件通知書等に記載された賃金をもとに年間収入を確認する取扱いが導入されています。これにより、労働契約に明確な定めのない残業代等によって一時的に年収130万円以上となった場合でも、直ちに被扶養者の取扱いを変更する必要がないケースがあります。
パートやアルバイトの方が社会保険に加入する主な要件は、以下のとおりです。
【ポイント】
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額88,000円以上(現行)
- 2か月を超えて働く見込みがある
- 学生ではない
- 勤務先の従業員数が51人以上の企業等(現行)
※今後の適用拡大予定
- 2027年10月から:従業員数36人以上の企業等
- 2029年10月から:従業員数21人以上の企業等
- 2032年10月から:従業員数11人以上の企業等
また、賃金要件(月額8.8万円以上)は、2026年10月頃に、最低賃金の動向を踏まえて撤廃する方針とされています。
税制上の扶養|123万円・160万円の壁の違い
税金面では、以下の2つの壁が特に重要になります。
税制上の扶養|123万円・160万円の壁の違い
税金面では、以前よく言われていた「103万円の壁」ではなく、2025年分以後は「123万円の壁」と「160万円の壁」が重要になります。これは、配偶者控除や配偶者特別控除の判定に使われる基準が見直され、配偶者の合計所得金額や給与収入の目安が引き上げられたためです。給与収入のみの場合、配偶者控除の対象となる目安は123万円以下となり、配偶者特別控除はそこを超えても一定範囲まで適用されます。
123万円の壁:配偶者控除を受けるための基準です。
給与収入のみの場合、年間収入123万円以下であれば、配偶者控除の対象となる目安になります。控除を受ける本人の合計所得金額が一定以下の場合には、一般の控除対象配偶者について最大38万円の配偶者控除を受けることができ、世帯全体の税負担が軽くなる可能性があります。
なお、2025年分以後の税制改正では、「基礎控除(58万円)」と「給与所得控除(65万円)」の見直しが行われたため、給与収入のみの場合は、これらを合計した「123万円」が、所得税負担が生じにくいひとつの目安となっています。
このラインを超えると、配偶者控除は受けられなくなりますが、すぐに控除が完全になくなるとは限らず、次の「160万円の壁」が関係してきます。
160万円の壁:配偶者特別控除が満額で受けられる基準です。
給与収入が123万円を超えても160万円以下であれば、配偶者特別控除を満額受けられる目安となります。これは、配偶者の合計所得金額でいうと58万円超95万円以下にあたる範囲で、控除を受ける本人の合計所得金額が900万円以下の場合、配偶者特別控除は最大38万円です。つまり、123万円を少し超えたからといって、ただちに配偶者控除・配偶者特別控除のメリットが大きく失われるわけではなく、160万円までは一定の税負担軽減を受けられる可能性があります。
控除を受ける本人の所得が多い場合、123万円以下に抑えることで比較的大きな税制上のメリットを受けやすくなります。ただし、160万円までは配偶者特別控除の適用対象となるため、多少の収入増でも税制上の控除を一定程度受けられる可能性があります。
扶養の範囲内で最大限に収入を得たい場合は、それぞれの壁の意味や控除額の変動について正しく理解し、計画的にはたらき方や収入調整を考えることが大切です。
壁を越えるとどうなる?具体的な負担シミュレーション
たとえば、年収が130万円を超えた場合、社会保険の扶養から外れ、自身で社会保険料を負担する必要が生じる場合があります。これにより、健康保険料や厚生年金保険料等の負担が発生し、手取り収入が減少する場合があります。
また、収入額によっては、税制上の配偶者控除や配偶者特別控除の適用額にも影響が生じる可能性があり、所得税・住民税の負担が増える場合もあり、手取りベースで見ると「思ったよりも収入が増えない」というケースが少なくありません。
一方で、社会保険に加入することで、健康保険の給付を自身で受けられるようになるほか、将来受け取る厚生年金の額も増える可能性があります。さらに、傷病手当金や出産手当金といった公的保障が受けられるようになる点も大きなメリットです。短期的な手取りだけで判断せず、将来的な保障や老後の年金を考えた長期的な視点も忘れずに持つことが大切です。
年収の計算方法|副業収入にはどこまで含まれる?
社会保険上の扶養認定では、「見込み年収」によって判断されるのが一般的です。たとえば、単発バイトでも継続的に収入がある場合は、年間の収入見込みをもとに判断されるケースがあります。
【含まれる収入の例】
- 給与(副業含む)
- 業務委託報酬
- ネット販売の利益 など
一度の売上や報酬額ではなく、継続性や年間の収入見込みを踏まえて判断される点に注意しましょう。
扶養内の副業パターンを解説!
夫の会社の扶養に入っているパート主婦の場合
多くのパート主婦が該当するケースです。税制上は給与収入123万円以下が配偶者控除の目安で、160万円以下なら配偶者特別控除の満額適用対象となる目安です。社会保険では130万円未満かどうかに加え、勤務先で週20時間以上働いているかなど、社会保険加入条件に当てはまらないかの確認が必要です。
ただし、勤務先の規模や勤務時間によっては、社会保険の加入対象となる場合があるため注意しましょう。
学生で親の扶養に入っている場合
学生アルバイトも、税金と社会保険の両面で確認が必要です。税制上は、19歳以上23歳未満の親族について特定親族特別控除が創設され、一定の収入増があっても、段階的に控除額が調整される仕組みとなりました。
また、健康保険では、2025年10月1日以降、19歳以上23歳未満の被扶養者について、年収基準が150万円未満に引き上げられています。配偶者はこの特例の対象外ですが、学生の子どもがいる世帯では、確認しておきたいポイントです。
123万円を超えると、親の扶養控除等に影響する可能性があり、130万円以上になると、社会保険上の扶養から外れる可能性があります。
扶養に入りつつフリーランス・個人事業主として活動したい場合
ハンドメイド販売やライティング業など、業務委託の副業を行う場合も、一般的には年間収入が130万円未満であれば扶養内にとどまることができます。一定の収入がある場合は、確定申告や開業届の提出も検討しましょう。
⚠️【重要】フリーランスの「収入」計算の落とし穴
確定申告の「所得」が130万円未満でも、扶養を外れるケースがあるため注意が必要です。社会保険の計算では、税務上の「青色申告特別控除」や「減価償却費」を経費として差し引くことが認められないケースもあります。「直接的かつ必要不可欠な経費(仕入原価など)」のみを引いた額で判断されます。また、健康保険組合によっては「月収108,333円未満」という厳しい独自基準を設けていることもあるため、必ず事前に加入先の組合へ確認しましょう。
【例外ケース】配偶者が自営業の場合は注意!
配偶者が自営業で国民健康保険に加入している場合は、そもそも社会保険上の「扶養」という概念がありません。収入に関係なく保険料が世帯単位で課されることがあるため、住んでいる自治体で軽減措置を確認しましょう。
扶養内でできるおすすめ副業5選【税務リスク少なめ】
- データ入力・Webライター:在宅で始めやすく、単価が明確なので収入調整しやすい。
- スキルシェアサービス(ココナラなど):得意を活かして単発案件に対応可能。
- ハンドメイド販売(minne、メルカリなど):出品量で売上を調整しやすい。
- 覆面調査・アンケートモニター:スキマ時間で気軽に実施可能。
- スキマバイトアプリ:1日単位ではたらける案件が多く、収入のコントロールがしやすい。
副業を始める前に知っておきたい手続きと注意点
住民税や所得税に関する基本ルール
給与所得者が、副業による所得(収入から必要経費を差し引いた金額)が年間20万円を超える場合、原則として確定申告が必要です。また、副業収入は住民税の課税対象にもなるため、申告漏れには注意が必要です。住民税の通知は勤務先に送られることがあるため、勤務先に副業が知られるきっかけになる場合もあります。副業を始めたら、税務処理のスケジュール管理もしっかり意識しましょう。
⚠️【重要】「副業20万円以下なら申告不要」の勘違いに注意!
給与所得者が副業で得た所得が年間20万円以下の場合、所得税の「確定申告」は不要です。しかし、これは所得税に関する取り扱いであり、住民税については別途申告が必要となる場合があります。
申告漏れがあると、加算税等の対象となる可能性があるほか、国民健康保険料の算定や、医療・福祉制度の判定等に影響が生じる場合もあるため、必要に応じて市区町村へ確認・申告を行いましょう。
▶副業アルバイトが会社にバレる理由と対策はこちらの記事で解説しています。

副業収入が増えた場合に必要な申告とは
業務委託やネット販売などで一定の利益が出た場合は、雑所得または事業所得として確定申告が必要となる場合があります。副業の種類によって申告区分が異なるため、どちらに該当するかを事前に確認しておくと安心です。帳簿をつけることで、適切に必要経費を計上できる場合があります。節税のためにも、領収書や支払い記録を日頃から整理しておきましょう。
会社に副業を申請すべきか判断するポイント
会社員の場合、副業の可否や申請ルールは就業規則で細かく定められていることが多いです。事前に確認せずに副業を始めると、就業規則違反となる可能性があります。副業を許可制にしている企業では、簡単な申請手続きだけで済むケースも増えています。リスクを回避するためにも、事前に上司や人事部門に相談しておくと安心です。
トラブルを防ぐために大切なこと
副業は自由度が高く、自分のペースではたらける反面、税金管理や本業とのバランスを取る難しさもあります。収入アップばかりを優先すると、心身の負担が大きくなったり、本業に支障をきたしたりするリスクも。長く無理なく副業を続けるには、収入・時間・体力のバランスを意識しながら、余裕を持ったはたらき方を心がけることが重要です。疲れを感じたら、ペースを調整する柔軟さも必要です。
扶養を外れるべきタイミングとは?
将来の社会保障・年金を考えるなら扶養外もアリ?
厚生年金に加入することで将来受け取る年金額が増える可能性があります。長期的な安心を求めるなら、扶養を外れて社会保険に加入するという選択も前向きに検討してみましょう。
週20時間以上ではたらくなら見直しを
短時間労働者の社会保険適用は、今後、段階的に適用対象が拡大される予定です。勤務時間が週20時間以上になってきた場合は、年収だけでなく社会保険の加入要件そのものに当てはまらないかを確認しましょう。
「扶養を外れる」判断のチェックリスト
- 年間収入が130万円を安定して超えている
- 社会保険加入の条件を満たしている
- 週20時間以上ではたらく見込みがある
- 勤務日数や時間が増えてきた
- 将来的にキャリアアップや正社員を目指したい
扶養内副業は計画的に!おすすめの判断フロー
今の自分の立場で考えるべき壁は?
まず確認したいのは、自分に関係するのが「税制上の扶養」なのか「社会保険上の扶養」なのかです。配偶者控除を意識するなら123万円・160万円、健康保険や年金を意識するなら130万円の基準や、週20時間以上勤務した場合の社会保険加入条件が主な目安になります。
副業収入が上がってきたら見直しを
副業を続けて収入が増えてきたら、一度扶養から外れる選択肢を検討しても良いタイミングです。生活スタイルや手取り収入とのバランスを見ながら判断しましょう。
収支バランス・手間・保障のバランスで賢く選ぼう
「収入は増えても手間が増えすぎる」「保障は手厚くなるけど生活が苦しくなる」など、はたらき方には一長一短があります。自分の優先順位を考え、無理のない選択をすることが成功のカギです。
まとめ
副業を始める際には、扶養の範囲や各制度のルールを理解しておくことがとても大切です。2026年時点では、税制上は「123万円」「160万円」、社会保険では「130万円」「週20時間」が重要な目安になります。以前の「103万円」「106万円」のイメージだけで判断すると、実態とずれることがあります。
「家計の足しにしたい」「将来に向けて少しずつ収入を増やしたい」と考えている方は、自分に関係する壁がどれかを整理したうえで、副業の量やはたらき方を調整していきましょう。
無理のないペースで収入を増やし、自分らしいはたらき方を築いていく第一歩にしてみてください。







