パートを退職したい！円満に辞めるための伝え方・手続き・注意点を解説

「パートを辞めたいけれど、退職理由の伝え方に悩んでいる…」そんな方へ。円満退職のための理由の伝え方や注意点まで解説します。

パートを辞めたいと考えているものの、「どのように伝えれば良いのかわからない」「退職理由をどう説明すれば円満に辞められるのか」と悩んでいませんか？職場の人間関係や労働条件に対する不満、家庭の事情、キャリアアップなど、パートを退職する理由は人それぞれです。しかし、伝え方を間違えると、職場との関係が悪化したり、退職がスムーズに進まなかったりします。

この記事では、パートを退職する主な理由や、円満に辞めるための伝え方、退職のタイミングと方法について解説します。適切な伝え方の例文や、NGな伝え方も紹介するので、「なるべくトラブルなく辞めたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

パートを退職する主な理由（例文付き）

パートを辞める理由は人それぞれですが、代表的な理由としては以下の5つがあります。それぞれの理由について、退職を伝える際の例文も含めて確認していきましょう。

家庭の事情（育児・介護・配偶者の転勤など）

育児や介護、配偶者の転勤など、家庭の事情によってパートを退職しなければならないケースがあります。特に、小さな子どものいる家庭では、保育園や学校の都合ではたらける時間が制限され、退職につながることもあります。

また、配偶者の転勤に伴い引っ越しを余儀なくされる場合や、親の介護が必要になった場合など、家庭の優先事項によりパートの継続が難しくなることもあります。このような理由で退職を決めた場合は、職場へ早めに相談し、スムーズに引き継ぎができるように配慮しましょう。

例文 「家庭の事情により、これまでのようにシフトに入ることが難しくなりました。大変お世話になりましたが、○月○日をもって退職させていただきたいと考えております。」

職場の人間関係（上司や同僚とのトラブル）

はたらき続けるなかで、職場の人間関係は重要です。上司や同僚とのトラブル、パワハラやいじめのような問題が原因で退職を考える人もいます。

こうした場合、まずは職場の相談窓口や信頼できる同僚に相談するのも一つの選択肢です。しかし、状況が改善されず、精神的に負担が大きくなっている場合は、無理をせず退職を選択することも重要です。

その場合、職場におけるトラブルに触れずに退職意思を伝える形がおすすめします。トラブルを伝えて、誤解を招いたり、さらなるトラブルに発展したりすることを避けるためです。トラブルに関する言及をしない場合、退職の理由として「諸事情」などを使うと良いでしょう。

例文 「諸事情により、新しい環境ではたらくことを考えております。これまでお世話になり、ありがとうございました。」

労働条件の不満（シフト・給与・仕事内容など）

シフトの希望が通らない、給与が低い、仕事内容が合わない、残業が多いなど、労働条件に不満を感じて退職を決断するケースもあります。

特に、生活費を賄うためにはたらいている場合、給与が希望額に届かないとモチベーションが下がります。また、残業が頻繁に発生し、私生活に影響が出ているような場合も退職が視野に入るはずです。さらに、シフトの調整が難しく、プライベートの時間が確保できないことも退職理由になるでしょう。

このような場合、トラブルを避けるために労働条件に関する不満を直接伝えず、当たり障りのない理由を伝えて退職するのがおすすめです。

例文 「将来のキャリアを考え、別の仕事に挑戦することにしました。これまでの経験を活かして頑張りたいと思います。」

健康上の理由（体力的に厳しい、ストレス）

長時間の立ち仕事や重労働が続くと、体力的な負担が増加し、健康を害することがあります。また、精神的なストレスが原因で体調を崩し、仕事を続けられなくなることもあります。

このような場合は、医師に相談する、または職場で業務の軽減を依頼することも選択肢の一つですが、改善されない場合は無理をせず退職を検討することが大切です。

この場合は、「体調の問題」と理由を伝えて良いですが、病状を詳細に説明する必要はありません。

例文 「体調の問題により、これまでと同じように勤務を続けることが難しくなりました。そのため、大変恐縮ですが○月○日をもって退職させていただきたく存じます。」

キャリアアップや転職を考えている

新しい仕事に挑戦したい、正社員としてキャリアを築きたいと考え、パートを辞める人もいます。特に、資格取得を目指して勉強に専念するためや、より条件の良い職場へ転職するために退職するケースが一般的です。

このような前向きな理由での退職は、職場に対してもポジティブに伝えやすく、円満に退職しやすい傾向があります。ただし、転職先や転職時期などを詳細に伝える必要はありません。

例文 「新たな分野での仕事に挑戦したく、退職を決意しました。これまでご指導いただき、本当にありがとうございました。」

退職理由を伝える際のポイント（例文付き）

続いて、退職理由を伝える際に気をつけるべきポイントを紹介します。円満退職するためのコツを押さえましょう。

正直に伝えつつ角が立たないよう配慮

退職理由は正直に伝えることが大切ですが、ネガティブな理由をそのまま話すと、職場の人間関係を悪化させる可能性があります。特に、職場におけるトラブルの内容や労働条件への不満は伝えないように注意すべきです。

退職理由はできるだけ角が立たないような伝え方を心がけましょう。その際は「家庭の事情」「体調不良」のように一般的に理解を得られやすい理由を伝える形がおすすめです。

例文 「家庭の事情で勤務継続が難しくなったため、退職を決意しました。これまでのご指導に感謝しております。」

職場に迷惑をかけないスケジュールを考慮

退職時期を決める際は、職場の状況を考慮し、迷惑をかけないタイミングを選ぶことが重要です。特に繁忙期に突然辞めると、同僚や上司に負担がかかり、職場における印象を悪くしてしまうことがあります。

突発的な理由で退職せざるを得ない場合でない限り、退職の1カ月前などに上司に相談しておくと良いでしょう。一方、職場に迷惑をかけないことを優先し、自らに負担がかかり続ける状況を我慢する必要はありません。

例文 「○月○日まで勤務し、業務の引き継ぎをしっかり行った上で退職させていただきたいと考えております。」

「感謝の気持ち」を添えて伝える

退職を伝える際には、これまでお世話になったことへの感謝をしっかりと伝えることが大切です。これにより職場における印象を悪化させることなく円満に退職できる可能性が高まります。

感謝の気持ちは上司や同僚をはじめとして、職場でお世話になったメンバーにていねいに伝えると良いでしょう。

例文 「これまで多くのことを学ばせていただき、大変感謝しております。最後まで責任を持って業務を行います。」

引き止められたら強い意思を示す

退職の意思を伝えた際に、引き止められることもあります。しかし、自分の決断が揺らいでしまうと、辞めるタイミングを逃してしまいます。そして負担を感じながら働き続け、最悪の場合は体を壊す恐れがあります。

退職を引き止められた際は、強い意思を示すことが大切です。

例文 「申し訳ありませんが、○月○日をもって退職させていただきます。決意は変わりませんので、何卒ご理解いただけますようお願いいたします。」

退職理由の伝え方（例文付き）

退職理由を伝える際には、できるだけ円満に話を進めることが重要です。適切な表現を選ぶことで、職場との関係を保ったまま退職手続きができます。ここでは、角が立たない退職理由の伝え方と、避けるべきNGな伝え方を具体的な例文とともに紹介します。

角が立たない退職理由の伝え方

上司や同僚との関係を損なわず、スムーズに退職を進めるためには、退職理由を伝える際の表現に注意が必要です。ケース別に適切な伝え方を確認しましょう。

「家庭の事情」の場合の伝え方

家庭の事情（育児・介護・配偶者の転勤など）を理由に退職する場合、できるだけシンプルに伝え、詳細を説明しすぎないことがポイントです。「家庭の事情」「一身上の都合」などの文言を使うと良いでしょう。

例文： 「家庭の事情により、今後の勤務が難しくなりました。これまで大変お世話になりましたが、○月○日をもって退職させていただきたく存じます。」

「家族の都合で引っ越すことになりましたので、○月○日をもちまして退職させていただきたいと思います。これまで、ありがとうございました。」

「職場の人間関係」の場合の伝え方

職場の人間関係を理由に退職する場合、「上司と合わない」「同僚とのトラブルがあった」と直接伝えると関係が悪化する可能性があります。ネガティブな印象を避けるため、前向きな理由に言い換えるのがポイントです。

例文： 「諸事情により、新しい環境ではたらくことを考えております。これまでご指導いただき、ありがとうございました。」

「今後のキャリアを考え、別の職場で経験を積むことに決めました。これまでの経験を大切にしながら頑張りたいと思います。」

「給与や待遇の不満」の場合の伝え方

給与やシフトなどの待遇面の不満が理由で退職する場合、職場に対する不安を直接伝えると「改善するから残ってほしい」と引き止められる可能性があるため、表現に注意が必要です。

例文： 「将来のキャリアを考え、より成長できる環境に挑戦したいと考えています。」

「生活環境の変化に伴い、別の仕事にチャレンジしたいと考えるようになりました。これまでのご指導に感謝しております。」

「キャリアアップ・転職」の場合の伝え方 300

キャリアアップや転職を理由に退職する場合、前向きな姿勢を強調することで、円満に退職しやすくなります。

例文： 「これまでの経験を活かし、次のステップに進むことを決意しました。これまで本当にお世話になりました。」

「新しい分野での仕事に挑戦することにしました。こちらで学んだことを活かしながら頑張ります。」

NGな退職理由の伝え方

退職理由を伝える際には、避けるべき表現や言い方があります。ここでは、特に注意が必要な伝え方を紹介します。

会社や同僚を批判する表現

退職の際に、職場の不満や同僚への批判を伝えると、トラブルの原因になりかねません。どんなに職場環境が悪かったとしても、感情的な表現は避け、冷静に対応することが大切です。

NG例： 「上司と合わなくて、もう耐えられません。」 「職場の雰囲気が悪すぎて、ここでははたらけません。」

適切な言い換え例： 「今後のキャリアを考え、新しい環境で挑戦したいと思っています。」 「自分に合ったはたらき方を模索するため、退職を決意しました。」

嘘の理由を伝える

嘘の理由を伝えると、後から事実が発覚した際に信用を失う可能性があります。たとえば、「家族の介護のため」と伝えたのに、すぐに別の職場ではたらいていることが知られると、印象が悪くなることもあります。

NG例： 「実家に帰ることになったので辞めます。」（実際は転職する予定） 「体調が悪くて仕事を続けられません。」（実際は給与アップのために転職）

適切な言い換え例： 「新しい分野に挑戦したく、退職を決意しました。」 「今後のキャリアを考え、別の道に進むことにしました。」

退職を伝える適切なタイミングと方法

円満退職のためには、適切なタイミングで退職を申し出ることが重要です。以下では、退職の意思を伝えるタイミングを確認していきましょう。

退職の申し出はいつ・どのように伝えるべき？

退職の意思を伝える際には、できるだけ早めに申し出ることが重要です。また、伝える際は、上司や店長など責任者に直接伝えるのが基本です。忙しい時間帯を避け、事前に相談の時間を確保してもらうとスムーズに話が進みます。

例文 「お忙しいところ申し訳ありません。ご相談したいことがあるのですが、お時間をいただけますでしょうか？」

退職希望日の1カ月前が一般的

多くの企業では、退職希望日から逆算して1カ月前には申し出ることが推奨されています。これにより、業務の引き継ぎや後任の準備をスムーズに行うことができるためです。

例文 「○月○日をもって退職させていただきたいと考えております。業務の引き継ぎについても、できる限り対応させていただきます。」

繁忙期を避ける（可能なら）

可能であれば、職場の繁忙期を避けて退職できると理想です。繁忙期に辞めると、職場の負担が増え、人間関係に悪影響を及ぼすことがあるためです。

例文 「お店の状況を考慮し、落ち着いた時期に退職できるよう調整したいと考えています。」

口頭・書面どちらがよい？ 

退職の意思を伝える際、基本的には口頭で上司に伝えた後、正式な退職届を提出するのが一般的です。口頭のみの伝達では「言った言わない」の話になる可能性があるため、書面で残すことで、トラブル防止につながります。

例文 「口頭でお伝えしましたが、正式に退職届を提出いたします。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」

まとめ

パートを退職する際は、伝え方やタイミングに注意することが大切です。特に、職場でのトラブルや労働条件に対する不満などのネガティブな内容は伝えず、前向きな理由を伝えることで、円満に退職しやすくなります。

退職理由を伝える際は、これまでの経験や職場への感謝を添えることで、より良い印象を残すことができます。たとえば、「家庭の事情で勤務継続が難しくなった」「キャリアアップのために新たな挑戦をしたい」といった、ポジティブな伝え方を意識すると良いでしょう。

円満に退職するためには、職場に対する配慮と誠実な態度が欠かせないことを忘れないようにしましょう。