暑中見舞いとは?マナーや送る時期・書き方のポイントを紹介

暑中見舞いは、暑さが厳しい時期に相手の健康を気づかい、日ごろの感謝や近況を伝える季節のあいさつです。年賀状ほど頻繁に出すものではないため、「いつ送るのが正しい?」「ビジネス相手にも送っていい?」「どんな文面にすれば失礼がない?」と迷う人も多いでしょう。
この記事では、暑中見舞いの意味や送る時期、基本的なマナー、書き方のポイント、相手別の例文までわかりやすく紹介します。
暑中見舞いとはどんな挨拶?

暑中見舞いは夏に送る季節のあいさつ
暑中見舞いとは、夏の暑さが厳しい時期に、相手の健康や安否を気づかって送る季節のあいさつです。はがきや手紙で「暑い日が続きますが、お元気ですか」という気持ちを伝えるもので、日本ならではの丁寧なコミュニケーションのひとつといえます。
親しい友人や親戚だけでなく、日ごろお世話になっている人、取引先、上司、恩師などに送ることもあります。夏のごあいさつとして送ることで、普段なかなか会えない相手とも自然につながりを保てるのが魅力です。
本来は相手の体調を気づかうための便り
暑中見舞いの本来の目的は、猛暑の時期に相手の体調を気づかうことです。現代のように電話やメール、SNSで気軽に連絡できなかった時代には、手紙で相手の無事を確認し、健康を願うことが大切な習慣でした。
そのため、暑中見舞いでは自分の近況を長々と書くよりも、まず相手を気づかう言葉を入れることが大切です。「暑さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか」「皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか」といった表現を使うと、季節のあいさつらしい印象になります。
手紙やはがきで気持ちを伝えるのが一般的
暑中見舞いは、はがきで送るのが一般的です。夏らしいイラストや写真入りのはがきを選べば、短い文章でも気持ちが伝わりやすくなります。封書で送ることもできますが、かしこまった印象になりやすいため、親しい相手や一般的な季節のあいさつには、はがきが使いやすいでしょう。
最近ではメールやLINEで送るケースも増えています。ただし、目上の人やビジネス相手には、はがきのほうが丁寧な印象を与えやすいです。相手との関係性に合わせて選ぶことが大切です。
お中元や夏の贈り物との違い
暑中見舞いとお中元は、どちらも夏の時期に相手を思って送るものですが、意味が異なります。暑中見舞いは「手紙やはがきで相手の健康を気づかうあいさつ」であり、お中元は「日ごろの感謝を込めて品物を贈る習慣」です。
お中元に添え状として暑中見舞いの文面を添えることもありますが、必ず贈り物が必要というわけではありません。はがき1枚でも、相手を思う気持ちは十分に伝わります。
暑中見舞いを書く前に押さえたいマナー
送る相手に合わせて言葉づかいを変える
暑中見舞いを書くときは、相手との関係性に合わせて言葉づかいを調整しましょう。友人や親戚には、少しくだけたやわらかい表現でも問題ありません。一方、上司や取引先、恩師などには、丁寧で落ち着いた表現を選ぶことが大切です。
たとえば友人には「暑い日が続いていますが、元気にしていますか」と書けますが、目上の人には「暑さ厳しき折、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます」のような表現が適しています。
目上の人やビジネス相手には失礼のない表現を
ビジネスで暑中見舞いを送る場合は、相手の健康を気づかう言葉に加え、日ごろの感謝を伝えるとよいでしょう。「平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」といった定型表現を入れると、失礼のない文面になります。
また、ビジネス相手には近況報告を入れすぎず、簡潔で読みやすい文章を心がけましょう。相手の会社や担当者に向けて送る場合は、誤字脱字や敬語の使い方にも注意が必要です。
目上の人へ送る暑中見舞いでは、尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いを押さえておくと、より失礼のない文章に整えやすくなります。

喪中の相手に送る場合は控えめな文面に
暑中見舞いはお祝いではなく季節のあいさつのため、相手が喪中でも送ること自体は失礼にあたりません。ただし、明るすぎる絵柄やにぎやかな表現は避け、落ち着いた文面にするのが無難です。
「厳しい暑さが続いておりますが、どうぞご無理なさらずお過ごしください」など、相手の体調を静かに気づかう言葉を中心にしましょう。故人に関する話題に触れる場合も、相手の気持ちに配慮し、控えめに書くことが大切です。
返事を出すときは届く時期に合わせて書き分ける
暑中見舞いを受け取ったら、できるだけ早めに返事を出すのが理想です。ただし、返事が相手に届く時期が立秋を過ぎる場合は、「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」として出します。
暑中見舞いと残暑見舞いは送る時期が異なるため、返事を書くタイミングに注意しましょう。迷ったときは、投函日ではなく相手に届く時期を目安にすると安心です。
暑中見舞いを送る時期はいつからいつまで?

小暑から立秋の前日までが目安
暑中見舞いを送る時期は、一般的に二十四節気の「小暑」から「立秋の前日」までが目安です。小暑は例年7月7日ごろ、立秋は8月7日〜8日ごろにあたります。
つまり、暑中見舞いは7月上旬から8月上旬ごろまでに送るのが一般的です。ただし地域によって暑さの感じ方や梅雨明けの時期が異なるため、相手の住んでいる地域にも少し配慮するとよいでしょう。
立秋を過ぎたら残暑見舞いに切り替え
立秋を過ぎてから送る場合は、暑中見舞いではなく残暑見舞いに切り替えます。まだ暑い日が続いていても、暦の上では秋に入るためです。
残暑見舞いでは、書き出しを「残暑お見舞い申し上げます」にします。結びの言葉も「晩夏」「立秋」「葉月」など、時期に合った表現を選ぶと自然です。
梅雨明け前でも暦に合わせて考えよう
暑中見舞いは、梅雨明け後に送るものというイメージがありますが、基本的には暦を目安に考えます。小暑を過ぎていれば、梅雨明け前でも暑中見舞いとして送っても差し支えありません。
ただし、雨が続いている地域の相手に送る場合は、「長雨のあと、暑さも本格的になってまいりました」など、実際の気候に合う表現を入れると違和感がありません。
暑中見舞いの書き方
書き出しは「暑中お見舞い申し上げます」
暑中見舞いの書き出しは、「暑中お見舞い申し上げます」が基本です。文頭に大きめに書くと、季節のあいさつとして整った印象になります。
目上の人やビジネス相手には、「暑中お伺い申し上げます」という表現を使うこともあります。より丁寧な印象になりますが、一般的には「暑中お見舞い申し上げます」で十分です。
文中は「季節感と相手の健康を気づかうひと言」
本文では、まず季節感を表す言葉と、相手の健康を気づかう言葉を入れます。たとえば「厳しい暑さが続いておりますが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか」と書くと、自然で丁寧な印象になります。
季節感を出すには、「蝉の声」「青空」「盛夏」「猛暑」「夏本番」などの言葉を使うのもおすすめです。ただし、ビジネス文では装飾的な表現を増やしすぎず、簡潔にまとめるとよいでしょう。
こちらの近況や感謝の気持ちを伝える
相手を気づかったあとは、自分の近況や日ごろの感謝を短く伝えます。親しい相手には「こちらは家族みな元気に過ごしています」といった近況報告が自然です。
お世話になった人やビジネス相手には、「日ごろより温かいお心遣いをいただき、心より感謝申し上げます」など、感謝の言葉を入れると印象がよくなります。暑中見舞いは長文にする必要はないため、要点をしぼって書きましょう。
結びは自愛を願う言葉と「盛夏」でまとめる
結びには、相手の健康を願う言葉を入れます。「くれぐれもご自愛ください」「健やかに夏をお過ごしください」などが使いやすい表現です。
最後には日付の代わりに「令和○年 盛夏」と書くのが一般的です。「盛夏」は夏の盛りを表す言葉で、暑中見舞いの結びに適しています。
相手別に使いやすい例文集

友人や親戚に送るやわらかい文例
暑中お見舞い申し上げます。
暑い日が続いていますが、元気に過ごしていますか。こちらは家族みな変わらず元気にしています。なかなか会えませんが、また涼しくなったころにゆっくり話せたらうれしいです。まだまだ暑さが続きますので、体に気をつけて過ごしてください。
令和○年 盛夏
お世話になった人へ気持ちが伝わる文例
暑中お見舞い申し上げます。
厳しい暑さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。日ごろより温かいお心遣いをいただき、心より感謝しております。おかげさまで、こちらも元気に過ごしております。暑さはこれからが本番ですので、どうぞご無理なさらずご自愛ください。
令和○年 盛夏
ビジネスでそのまま使いやすい文例
暑中お見舞い申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。厳しい暑さが続いておりますが、貴社の皆さまにおかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。酷暑の折、皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。
令和○年 盛夏
はがきにひと言だけ添えたいときの短い文例
- 暑い日が続いておりますが、どうぞ健やかにお過ごしください。
- 厳しい暑さの折、くれぐれもご自愛ください。
- ご家族皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。
- 夏本番となりました。お体に気をつけてお過ごしください。
- 日ごろの感謝を込めて、暑中のお見舞いを申し上げます。
迷ったときに役立つ暑中見舞いの送り方のコツ

はがきと封書はどちらを選ぶ?
暑中見舞いは、基本的にははがきで問題ありません。短い文章でも季節のあいさつとして成立し、相手も気軽に受け取りやすいからです。写真入りやイラスト入りのはがきを選ぶと、夏らしい雰囲気も伝わります。
封書は、手紙を長めに書きたい場合や、改まった相手に丁寧な印象を与えたい場合に向いています。ただし、暑中見舞いとしては少し重い印象になることもあるため、相手との距離感に合わせて選びましょう。
贈り物を添えるなら相手に気をつかわせないものを
暑中見舞いに贈り物を添える場合は、相手に負担を感じさせないものを選ぶのがポイントです。高価すぎる品物は、かえって相手に気をつかわせる可能性があります。
涼しさを感じられる飲み物、日持ちするお菓子、季節感のある小さな品などが向いています。贈り物をする場合でも、主役はあくまで相手を気づかう気持ちです。添え状には、感謝や健康を願う言葉を忘れずに入れましょう。
また、近年は物価上昇の影響もあり、贈り物にかける費用を負担に感じる人も少なくありません。シェアフルの実態調査では、物価上昇の影響で「生活費が大きく増えた」と感じる人が48.8%、生活費を補うために副収入が必要だと感じる人が78.8%という結果が出ています。暑中見舞いは、必ずしも高価な品物を添える必要はありません。相手にも自分にも負担の少ない形で、季節のあいさつを届けることが大切です。

参照:【2026年】賃上げ実態調査『シェアフル』スキマバイトリサーチ
より詳しいデータや詳細について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

暑中見舞いに関してよくある質問(Q&A)
Q1:暑中見舞いはメールやLINEで送ってもいい?
親しい友人や家族であれば、メールやLINEで送っても問題ありません。気軽に近況を伝えられるため、相手との関係性によっては自然な方法です。ただし、目上の人やビジネス相手には、はがきのほうが丁寧な印象になります。
Q2:立秋の前日に投函して間に合わない場合はどうする?
相手に届くころに立秋を過ぎる可能性が高い場合は、残暑見舞いとして出すのが安心です。暑中見舞いは立秋の前日までに届くことが目安なので、遅れそうなときは「残暑お見舞い申し上げます」に切り替えましょう。
Q3:暑中見舞いに句読点を入れても失礼にならない?
現代では、暑中見舞いに句読点を入れても大きな失礼にはなりにくいとされています。読みやすさを重視するなら、適度に句読点を入れても問題ありません。ただし、格式を重んじる相手や改まった文面では、句読点を控える書き方もあります。
Q4:家族連名で送るときは本文をどう書けばいい?
家族連名で送る場合は、「家族一同、元気に過ごしております」「皆さまのご健康を家族一同お祈り申し上げます」のように書くと自然です。差出人欄には代表者名だけでなく、家族の名前を並べてもよいでしょう。
Q5:暑中見舞いとお中元の違いは?
暑中見舞いは、暑い時期に相手の健康を気づかって送る手紙やはがきです。一方、お中元は日ごろの感謝を込めて品物を贈る習慣です。どちらも夏のあいさつですが、暑中見舞いは便り、お中元は贈り物という違いがあります。
まとめ|暑中見舞いは時期と相手に合わせて気持ちよく送ろう
暑中見舞いは、夏の暑さが厳しい時期に相手の健康を気づかい、日ごろの感謝や近況を伝える季節のあいさつです。送る時期は小暑から立秋の前日までが目安で、立秋を過ぎたら残暑見舞いに切り替えます。
文面では、「暑中お見舞い申し上げます」から始め、季節感のある言葉、相手を気づかう言葉、近況や感謝、結びの自愛を願う言葉を入れると整います。相手が友人なのか、目上の人なのか、ビジネス相手なのかによって言葉づかいを変えることも大切です。
形式に迷ったときは、難しく考えすぎず、相手を思う気持ちを丁寧に言葉にしてみましょう。はがき1枚でも、季節のあいさつは十分に心が伝わります。







