【2025年最新版】パートでもボーナスはもらえる?平均金額や注意点を紹介

パート従業員としてはたらいている方の中には、「正社員しかボーナスはもらえない」と思っていませんか?
実は、勤務先によってはパートでもボーナスが支給されることがあります。
今回は、パートでもボーナスがもらえるケースをはじめ、平均金額や注意点について分かりやすく解説します。
パートでもボーナスがもらえるのか、詳しい情報を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
パートでもボーナスをもらえる場合がある

パート勤務でもボーナスが支給されるケースは意外と多くあります。
ポイントは「パート先の企業が、ボーナスの支給を就業規則で定めているか」と「自分が同一労働同一賃金の対象であるか」の2点です。
ボーナスの支給自体は、法律で義務付けられていないため、支給されるかどうかは、企業側の方針で決まります。そのため就業規則や雇用契約、労働条件通知書などを確認してください。
企業が就業規則などでボーナスの支給を定めている場合は、同一労働同一賃金に沿って、適切に支給する義務があります。
パートでも、フルタイムではたらく正社員と同等の業務や責任を伴い、同一労働同一賃金の対象となれば、正社員と同様に、ボーナスを受け取れる可能性があるでしょう。
また、ボーナスにはいくつかの種類があり、支給方法も企業によって異なるのが特徴です。
ここでは、代表的なボーナスの種類を紹介します。
ボーナス・賞与とは
ボーナス・賞与とは、給与とは別に企業から支給される臨時の報酬のことです。
一般的には年に1〜2回、夏と冬に支給されます。
ボーナスや賞与は、正社員に支給されるイメージがありますが、パートやアルバイトにも支給されることがあるため、雇用契約や就業規則を確認してみてください。
ボーナスや賞与の支給は、企業ごとに支給の有無や金額に大きな差がある点が特徴です。
主に、基本給をベースに算出する「基本給連動型賞与」と、企業の業績や従業員個人の貢献度などによって支給額が変動する「業績連動型賞与」の2つがあります。
それぞれメリットやデメリットがあるため、パート先を決める際は、どのような支給方法になるか確認しておくと良いでしょう。
「基本給連動型賞与」と「業績連動型賞与」については、以下で詳しく解説します。
基本給連動型賞与
「基本給連動型賞与」とは、普段支給されている基本給をもとにボーナス額が決まる仕組みのことです。
就業規則や雇用契約書に「基本給の2カ月分支給」などといった形で記載されています。
企業側にとっては、計算が分かりやすく手間が省けることと、従業員に対してボーナス額の根拠を示しやすいことがメリットです。
一方、業績が悪い場合でも、賞与額を減額しにくいため、業績の悪い時は資金繰りが苦しくなる点がデメリットといえます。
従業員側のメリットは、会社の業績に関係なくボーナスが支給され、年収の見通しが立てやすくなることです。
一方、企業の業績が好調だった場合や、従業員個人が企業に大きく貢献しても、ボーナスに反映されない点はデメリットといえます。
基本給が勤続年数によって増える企業の場合、ボーナス額も年功序列で増えるため、新人であっても会社に貢献している方にとっては、不満に感じるケースもあるでしょう。
業績連動型賞与
「業績連動型賞与」は、業績に応じてボーナス額が変動する仕組みを指します。
業績が良ければ多く支給され、不調であれば支給額の減額や支給がない場合もあるのが特徴です。
全体の業績に連動するタイプや、個人や部署ごとの業績によって連動するタイプ、また複数の指針を総合するタイプなど、企業によって支給額の算出方法は異なります。
企業側のメリットは、業績が悪い時に賞与を支給する必要がなく、資金の負担を軽減できることです。特に従業員の多い企業の場合、ボーナスを変動的にすることで、人件費を削減できます。
また、優秀な人材には仕事に見合った額を支給できるので、有能な人材の確保にも有効です。
一方、個人の業績や評価をボーナスの判断基準にすることで、個人主義的はたらき方が増えやすくなることが、デメリットとなる場合もあります。
チームや部署の目標よりも個人の目標を優先すると、チームワークが乱れる原因になりうるでしょう。
従業員側のメリットは、従業員個人の実績や貢献度がボーナス額に反映されることで、モチベーションアップにつながることです。
雇用形態や年齢に関係なく、個人の評価で判断するため、パートの方でも対象となる可能性があります。
一方、企業の業績が悪化しボーナスの支給がなかった場合は、不満となりやすい点がデメリットです。年収にも大きく影響するので、生活資金の見通しが立てにくくなります。
決算賞与
決算賞与とは、企業が決算を行ったあとに、業績が良かった場合に支給される特別なボーナスです。
夏と冬のボーナスとは別に支給する企業もあり、支給の有無や金額は毎年異なります。
企業側のメリットは、節税対策ができる点です。
通常、企業の利益には法人税が課されますが、決算賞与を一定の条件のもとで支給した場合、経費(損金)として計上できるため、法人税の課税所得を減らすことが可能です。
決算賞与の支給は、企業の業績が好調である証にもなるので、従業員の離職防止にもなるでしょう。
従業員にとっては、会社の利益が大きいほど、還元される金額も増えるため、従業員のモチベーションアップにつながることが大きなメリットです。
パートのボーナスは法律で義務付けられてはいない
ボーナスの支給は、企業の義務ではありません。
労働基準法では、ボーナスは賃金に該当しますが、支給の義務についての規定はないため、企業側が支給の有無を自由に決めることができます。
ただし、就業規則、労働協約、労働契約などに、ボーナスを支給すると記載されている場合には、企業はその内容を守る義務が発生するのが特徴です。
パートでも契約内容次第でボーナスの対象となるため、雇用時には必ず内容を確認しましょう。
パートも同一労働同一賃金の対象になる
「同一労働同一賃金」とは、正社員と同じ業務を行っている、非正規雇用従業員にも、正社員と同等の待遇を保障しようとする制度のことです。
同一労働と判断される条件
- 正社員と業務内容や責任の程度が同じであること
- 正社員と異動や転勤などの、配置変更の範囲が同じであること
上記の2点がポイントです。
この制度により、はたらき方が正社員と同等と見なされた場合、企業側は基本給やボーナスをはじめ、福利厚生や教育訓練などを、公平に支給することが求められます。
企業側は、待遇差の理由を明確に説明する必要があるため、万が一条件に当てはまっているにもかかわらず、待遇が不当と感じる場合は、担当者に確認しましょう。
同一労働同一賃金は、今まで出産や育児など、ライフステージの変化によってパートに切り替えてはたらいている方にとっては、メリットが多くある制度です。
同一労働同一賃金を導入している企業なら、パートだからといって、不合理な待遇を受けることはありません。
ライフステージの変化に柔軟に対応できるので、自分に合ったはたらき方が選べるようになります。
また、パート従業員のモチベーション向上につながる点もメリットです。
正社員と教育制度などの格差が縮まり、パートでもキャリアアップが目指せます。
最新のパートの平均ボーナス

パートでもボーナスが支給されるケースはありますが、その金額は正社員とは大きく異なることも多くあります。
実際の支給額は、企業の業績だけでなく、パートの勤務日数や時間によっても差が出るのが特徴です。
ここでは、最近の調査などをもとにした、パートの平均的なボーナス額や、支給されないケースについて解説します。
パートの場合、どの程度のボーナスをもらえる可能性があるのか、またその背景について知ることで、今後のはたらき方の参考になるでしょう。
2~5万円が一般的
パートのボーナス支給額は、一般的に2万円から5万円程度とされています。
ただし、ボーナスの支給額は、業種や企業によって差があるのが特徴です。
大企業や業績の良い企業の場合は、勤務時間や職務内容に応じて、正社員と近い水準でボーナスを支給するケースもあります。
また、業種別に見ると、不動産関連や機械工業系の業種は、平均15万円〜20万円程度と他の業種と比較して高い傾向です。
しかし、短時間勤務のパートでは、支給されても寸志程度ということも珍しくありません。勤務形態によっても異なるため、同じ業種でも差がでる可能性があるでしょう。
パートは基本給がないため、企業の中にはパートの給料を月給に換算し、その金額の0.5カ月分といった形で、金額を決めるケースもあります。
ボーナスは企業の方針や業績によっても変動するので、実際の金額はパート先で確認することが大切です。
支給されない場合も多い
ボーナスは、すべての企業が支給するわけではありません。
2024年冬季に、ボーナスの支給予定に関して調査を行った結果を見ると、パートを雇用している194社の中で、パート従業員にボーナスを支給すると答えた企業は99社。パートを雇用している企業全体の51%程度でした。
一方、正社員の場合、274社のうち218社がボーナスを支給すると答え、全体の79.6%という結果となっています。
2023年の冬季と比較して、パートにボーナスを支給する企業は増加していますが、正社員と比較すると、もらえない割合が多い傾向です。
パートがボーナスの対象外となる原因の一つは、同一労働同一賃金の対象外になっていることが挙げられます。
ボーナスを受け取るには、業務内容や責任の程度、異動や転勤の範囲などが、正社員と同等と判断されなければなりません。
条件に当てはまらなければ、正社員との待遇差が生じることを理解しておきましょう。
また、小規模の店舗やサービス業では、雇用形態にかかわらず、ボーナス制度自体が存在しない場合も多くあります。
雇用契約書や就業規則に「ボーナスあり」と明確に記載がなければ、支給を期待するのは難しいかもしれません。
勤務先での制度を確認し、不明な点は担当者に質問することが大切です。
パートでボーナスが支給されるか確認する方法

パートでもボーナスがもらえることはありますが、すべての職場で支給されるわけではありません。
そのため、はたらき始める前に、パート先の企業でボーナスが支給されるかを確認することが大切です。
ここでは、パートがボーナスを受け取るために、確認しておくべき内容について解説します。
はたらき始めてから、「思っていた条件と違った」といったトラブルを防ぐためにも、必ずチェックしておきましょう。
求人票を確認する
パート先を決める際には、求人票に記載されているボーナスの有無をチェックしてください。
ボーナスの支給がある場合、求人票には「賞与あり」「年2回支給」などと記載されているケースが一般的です。
ボーナスがない場合は「賞与なし」「賞与制度なし」などと明記されていることもあるので、しっかりと確認しましょう。
ただし、求人票はあくまで簡易的な情報であり、実際の支給条件が詳しく書かれていない場合もあります。
そのため、求人票に「賞与あり」と書かれていても、実際の支給時期や金額については面接時などに確認するのがおすすめです。
労働条件通知書・雇用契約書を確認する
正式に採用された後は、雇用主から「労働条件通知書」や「雇用契約書」が交付されます。これらの書類には、賃金や労働時間、休暇などの条件をはじめ、ボーナスの有無や支給方法も記載されているため、必ず目を通してください。
たとえば、「賞与:年2回(業績による)」や「賞与なし」といった形で記載されています。
求人票とは異なり、これらの書類は法的効力を持つため、内容に納得した上で署名・押印することが重要です。
万が一記載がない場合や、支給条件などに不明点がある場合は、担当者に確認しましょう。書類はコピーを取って保管しておくと、後で確認する際に役立ちます。
パートでボーナスを受け取る際の注意点

ボーナスが支給されると嬉しいものですが、受け取る際には注意しておくべきポイントがあります。
特に「扶養の範囲内ではたらいている方」や「税金や社会保険料の負担を抑えたい方」は、収入が増えると、思わぬ負担が発生するため注意が必要です。
ここでは、ボーナスを受け取る際の注意点について解説します。
扶養範囲内のパートの場合は金額に注意が必要
「扶養の範囲内ではたらきたい」と考えているパートの方は、年収額に注意しましょう。
年収にはさまざまな「壁」があり、一定の年収を超えると扶養から外れ、負担する税金が増加するのが特徴です。
たとえば、「103万円の壁」は、年収が103万円を超えると、所得税が発生することを意味します。年末のボーナス額によって少しでも超えると、超えた分は課税対象となるため注意しましょう。
また、「106万円の壁」や「130万円の壁」は、社会保険の加入対象となる年収額です。
この年収の壁を超えると、配偶者や親が加入している社会保険の扶養から外れることになります。パート先で自分名義の社会保険への加入義務が発生し、別途社会保険料が天引きされるシステムです。
さらに、「150万円の壁」は、配偶者特別控除の控除額が最大(38万円)となる年収上限を指し、それを超えると控除額が段階的に減少していきます。
このように、所得税や社会保険料などが引かれると、ボーナスの金額によっては、年収が下がってしまうケースも考えられるでしょう。
家計全体に影響を及ぼす可能性もあるので、年末が近づいたら、1年間の総収入をしっかり確認し、扶養内に収まるよう調整してください。
ボーナスにも税金や社会保険料が発生
ボーナスは毎月の給与と同じように、税金や社会保険料の対象となります。
つまり、支給されたボーナスの全額をそのまま受け取れるわけではなく、所得税や社会保険料などが差し引かれるのが特徴です。
税金の計算方法は、収入額や扶養の有無によって異なりますが、「思ったより少ない」と感じないよう、事前に手取り額を確認しておきましょう。
また、社会保険に加入しているパートの場合、ボーナス額に応じて保険料が変動する可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
今までボーナスは正社員のみに適用され、パート従業員には支給されないケースが一般的でした。
しかし、同一労働同一賃金などの改定があり、パートでもボーナスを支給する企業が増えています。
ただし、パート先がボーナスを支給することを、就業規則に定めていることが前提です。
就業規則や雇用契約などを確認して、支給の有無や支給方法などを確認しましょう。
また、パートがボーナスを支給されるには、同一労働同一賃金に該当することも大切です。正社員と同等のはたらき方と判断されれば、雇用形態にかかわらず、ボーナスの支給対象となります。
その他、パートがボーナスを受け取り、年収が増えることで、所得税や社会保険への加入義務が発生することも忘れてはなりません。
せっかくボーナスが支給されても、扶養から外れてしまったり、税金で年収が減ってしまったりする可能性があります。
扶養内ではたらきたい方は、年収のチェックを忘れずに行いましょう。