【2025年最新版】バイトでも源泉徴収票はもらえる!必要な場面やもらえない場合の対処法を解説

アルバイトをしていると、年末や退職時に「源泉徴収票」をもらうことがありますが、「これって本当に必要なの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
当記事では、バイトの源泉徴収票の必要性や、どんな場面で必要になるのかをわかりやすく解説します。
また、源泉徴収票をもらえない場合はどう対処すればいいのかについても詳しく解説します。
バイトでも源泉徴収票はもらえる

雇用形態を問わず源泉徴収票はもらうことができます。バイト先が給与から所得税を引いている場合、年末や退職時には源泉徴収票を交付することが求められているためです。
源泉徴収票とは
源泉徴収票とはバイト先が交付し、年末調整完了後や退職の際に受け取るもので、1年間に支払われた給与や天引きされた所得税の額を証明する重要な書類です。
健康保険や厚生年金などの合計金額や、扶養控除を受けている場合は控除内容の詳細などが記載されています。
確定申告や新しいバイト先での手続きに必要になることもあるため、受け取った後は紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
源泉徴収票は翌年1月31日までに発行される
源泉徴収票は、年末調整が完了した後に発行されます。
年末調整にて1年間の給与や控除を再計算し、所得税の過不足を精算した後、最終的な給与総額や源泉徴収税額が確定するため、その情報をもとに源泉徴収票が作成・発行されます。
そして源泉徴収票は、所得税法の第226条にて翌年1月31日までに発行することが定められています。
居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(第百八十四条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる給与等を除く。以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した給与等について、その給与等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより当該税務署長の承認を受けた場合は、この限りでない。
出典:e-GOV 法令検索
万が一、1月を越えても源泉徴収票が手に入らない場合は、バイト先に「源泉徴収票を発行してください」とお願いすることが必要です。源泉徴収票の発行は法律上で義務づけられているため、適切に対応してもらえます。
バイトを辞めた際には退職後1か月以内にもらえる
バイトを辞めた際には、源泉徴収票を退職後1か月以内に発行するよう所得税法の第226条で定められています。退職した年の1月1日~12月31日までに支払われた給与収入に対し、雇用主は源泉徴収票を発行しなければなりません。
年末まではたらいた場合は、年末調整が終了した後、翌年の1月中に源泉徴収票が発行されます。それに対して、一年の途中で仕事を辞めた場合は、退職後1か月以内の発行が努力義務とされていますが、実務上は遅れる場合もあるため、必要に応じて自ら確認しましょう。
103万円未満の人も源泉徴収票は発行される
年間収入が103万円未満の人でも、源泉徴収票は発行されます。この場合、所得税が引かれないことが一般的ですが、税金がかからない場合も通常は源泉徴収票が発行されます。
また、確定申告や扶養控除の確認などにおいて、源泉徴収票が必要となる場合があるので、源泉徴収票を受け取った際は適切に保管することが重要です。
2025年3月には、年収の壁が103万円から160万円まで引き上げられることが衆議院にて決定しました。引き上げの具体的な日程については審議中ですが、この引き上げにより、年収に応じて非課税枠が拡大され、所得税が課税されない範囲が広がります。
178万円までの引き上げは財源の問題から実現しませんでしたが、今後さらなる引き上げが検討される可能性はあるため、今後の進展に注目しておくことが重要です。
バイトで源泉徴収される人

給与から税金が引かれる対象となる人は、アルバイトで源泉徴収されます。具体的には、次の条件に該当する場合は所得税が源泉徴収されます。
扶養控除等申告書を提出していない人
扶養控除等申告書を提出しない場合、バイト先で税金が差し引かれることになります。扶養控除等申告書を提出していない人は、扶養控除やその他の控除を受けないことになるため、給与収入から源泉徴収されます。
複数のバイトを掛け持ちしている場合、扶養控除等申告書を提出していない人は、1か所のバイト先には申告書を出せますが、他のバイト先には提出できません。つまり、申告書を提出していない勤務先では源泉徴収が行われます。
これは、申告書を1通しか提出できないため、複数のバイト先に提出して控除を受けることができないからです。
扶養親族がおらず月収8.8万円以上の人
扶養親族がいない場合は年間の給与収入が103万円を超えると、所得税が課税される対象となり、源泉徴収されることが一般的です。また、月収8.8万円以上の場合は年間で105.6万円以上となり、103万円を超えるため、給与から所得税が引かれることになります。
以上のことから、扶養親族がいない人が月収8.8万円以上の場合、所得税が給与から天引きされるため、源泉徴収されることが多いです。
源泉徴収票が必要になるシーン

では、源泉徴収票が必要になるシーンについて詳しく説明します。
確定申告をおこなう時
確定申告を行う場合は源泉徴収票が必要です。例えば、医療費控除や住宅ローン控除などを受けるために確定申告をする際には、収入金額や税額を証明するため源泉徴収票が必要です。
また、いくつかの職場で勤務していた場合や、年末調整を実施していない場合にも、確定申告を通じて過剰に支払った税金の還付を受けるために源泉徴収票が必要です。
収入の証明が必要な時
収入の証明が必要な時にも源泉徴収票は必要となります。例えば、家を借りる際、家賃の支払い能力を証明するために、収入金額を明示している源泉徴収票を求められる場合があります。
また、保育園に入園する際にも、入園条件に関わる収入基準を満たしているかを確認するため、家庭の収入状況を証明する源泉徴収票が必要になる場合があります。
その他にも、住宅ローンや個人ローンの申し込み時には、返済能力を証明するため、収入証明として源泉徴収票が必要です。
様々なシーンで、源泉徴収票は収入の証明として重要な役割を果たします。
転職する時
転職先の企業が前職での収入を確認するために、源泉徴収票を求めることがあります。これにより、前職での給与や税額が証明され、転職先での給与計算や年末調整の際に適切な税額を設定することができます。
しかし、アルバイトから正社員へ転職する場合は、必ずしも源泉徴収票が求められるわけではありません。
源泉徴収票を申告せずに、自分で確定申告を済ませることで税額を調整することも可能ですが、その場合、転職先に対して「正確な情報を提供していない」と受け取られる可能性があります。
このため、通常は源泉徴収票を提出して年末調整を受けることが望ましいです。
バイト先から源泉徴収票がもらえない場合の対処法

源泉徴収票をアルバイト先からもらえなかった場合、どのように対処すべきかお伝えします。
バイト先へ発行依頼
アルバイト先からの源泉徴収票を受け取っていない場合は、まずはバイト先に発行をお願いすることが適切な対応方法です。源泉徴収票の発行は雇用主であるバイト先に行う義務があるため、 交付をするようバイト先にお願いしてください。通常は年末か退職時に渡されるので、依頼すれば発行してもらえるのが一般的です。依頼する際は、丁寧に確認をお願いするとともに、手続き内容や発行時期についても確認しておくと良いでしょう。
もし、バイト先が発行を渋ったり対応が遅い場合は、税務署か労働基準監督署に相談する旨を伝えることで、発行がスムーズに進むことがあります。
税務署で源泉徴収票不交付の届出書を提出
アルバイト先に源泉徴収票の交付を依頼しても解決しない場合には、税務署に相談し、「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することができます。
この届出書を提出することで、税務署が適切な対応を行い、源泉徴収票を最終的に取得できることがあります。
税務署へ行く場合は、給与明細書を持参するようにしましょう。給与明細書は、実際に支払われた給与の額や税額の証明に役立つため、税務署が必要な情報を確認しやすくなります。
バイトの源泉徴収票に関するよくある質問

アルバイトの源泉徴収票に関する一般的な質問についてお答えしていきます。
源泉徴収票をなくしてしまった場合は?
源泉徴収票を紛失してしまった場合、基本的には再発行してもらえます。紛失してしまった時は、源泉徴収票を紛失してしまったため再発行して欲しい旨をバイト先に伝えましょう。この時、経理担当や責任者など、給与を管理している人に直接聞くのが早いです。
源泉徴収票は重要書類にあたるため、確定申告が必要な場合は早めに再発行をお願いするようにしましょう。
バイトを掛け持ちしている時の源泉徴収票はどうなる?
2つ以上の仕事を兼ねてはたらいている場合、それぞれのバイト先より源泉徴収票が発行されるので、全勤務先から受け取っておきましょう。年末調整を行う際には、通常メインとするバイト先で年末調整を実行しますが、他の勤務先にて交付された源泉徴収票も同様に提出しなければなりません。
もし、年末調整を一切のバイト先で実行しない場合は、すべての源泉徴収票を集めて、自ら確定申告を行わなければなりません。確定申告をすることで、所得税の過不足が精算され、場合によっては払いすぎた税金が還付されることもあります。
辞めたバイト先の源泉徴収票を、新しいバイト先に提出する必要はある?
バイトの年末調整は、現時点で勤務しているバイト先での給与収入に従い行われます。過去に勤めていたバイト先の給与情報は、年末調整の対象とはなりません。つまり、以前勤務していたバイト先に発行してもらった源泉徴収票を、新しい職場へ提出する義務はありません。
ただし、バイトを兼業している場合や一年間の給与合計が103万円を超過した場合は、辞めた勤務先の源泉徴収票を使って自ら確定申告をする必要性が出てきます。
短期のバイトで源泉徴収票が手元にない場合は?
短期バイトのため源泉徴収票を所持していない場合、まずは勤務先に発行を依頼しましょう。
短期バイトでも報酬が支払われている場合、源泉徴収票は発行されるので、給与担当者に「源泉徴収票を発行していただけますか?」と連絡するのが良いでしょう。
何らかの理由でどうしても取得できない場合、税務署に相談すると指導を受けられる場合があります。
また、源泉徴収票がない場合でも、給与明細や振込履歴などの支払記録をもとに所得金額を算出し、確定申告を行うことは可能です。
新卒入社前にバイトしていた分は、源泉徴収票や確定申告は必要?
新卒として就職する会社で年末調整を実行する際に、以前勤めていた勤務先の給与収入も考慮するため、入社の際に源泉徴収票の提出が必要になることがあります。バイトを辞める際にお願いすれば発行してもらえるでしょう。
また、新しい会社から源泉徴収票を求められなかった場合は、2つの選択肢があります。
1つ目は、会社に源泉徴収票を提出して会社側に判断を任せるという選択肢です。途中でアルバイト先が変わったり、複数のバイト先ではたらいていた場合、会社によってはその情報を加味する機会を設けることもあります。
2つ目の選択肢は、自分で確定申告を実施することです。バイトではたらいていた時期の収入を新しい会社で考慮しない場合、自ら確定申告を行う必要があります。年収が103万円以下でも、源泉徴収された所得税を還付してもらえる可能性があるので、確定申告をした方が得する場合があります。
また、年末調整までに提出できない場合も確定申告が必要です。会社の年末調整は、通常12月の給与計算時に締め切られるため、それまでに前職のバイトの源泉徴収票を提出しなければ年末調整に間に合いません。
年末調整に間に合わなかった場合は、自分で確定申告を行いましょう。
新卒の年末調整にバイト時代の源泉徴収票が間に合わない時は?
バイトの源泉徴収票を、新しい会社の年末調整までに提出できなかった場合は、自ら確定申告をしなければなりません。
源泉徴収票の提出を期限に間に合わせることができない場合は、バイト時代の収入を含めないまま実施されるため、税金の計算が正しく行われない可能性があります。その結果、税金を払いすぎていたり、追加で納税が必要になる可能性もあります。
以上のことから、バイト時代の源泉徴収票を新卒で就職した会社の年末調整までに提出できない時は、自分で確定申告を行い、正しい税額に修正する必要があります。
バイト先から源泉徴収票をもらったら、翌年2月16日~3月15日の間に確定申告をするようにしましょう。
まとめ
源泉徴収票は給与を受け取った全ての人に発行されるため、アルバイトでも源泉徴収票を受け取ることができます。新しい会社の年末調整や確定申告の際には、源泉徴収票が必要になることがあります。万一バイト先から源泉徴収票が発行されない場合は、バイト先に発行をお願いしてください。会社には源泉徴収票の発行義務があるため、基本的には依頼すれば発行されますが、それでも発行されない場合は、給与明細書を持参のうえ、税務署へ相談するようにしましょう。
早めに依頼して、必要なときに困らないように準備しておきましょう。