【完全ガイド】「お大事になさってください」の正しい使い方と例文集|ご自愛との違いも解説

体調不良の方やお休みされている方にかける言葉としてよく使われる「お大事になさってください」。一見丁寧な表現に見えますが、実は使う場面や相手によっては、より適切な言い方があるのをご存知ですか?
この記事では、「お大事になさってください」の正しい意味と使い方はもちろん、「ご自愛ください」との違いや、目上の人や上司に使う際の注意点、メールやLINEで使える例文まで、幅広く解説します。
「お大事になさってください」の意味と使い方

「お大事に」「お大事になさってください」の違いとは?
「お大事に」は、日常会話でよく使われる体調を気遣う言葉です。一方で「お大事になさってください」は、「なさる」という尊敬語が加わっており、より丁寧で敬意を込めた表現です。
- お大事に:カジュアルで広く使える
- お大事になさってください:目上の人やビジネスシーン向け
例えば、家族や友人に対しては「お大事に」、上司や取引先には「お大事になさってください」と使い分けるのが適切です。
目上の人・上司にも使える?敬語として正しい?
「お大事になさってください」は、敬語表現として文法的にも丁寧で、上司や目上の方、取引先にも使えるフレーズです。
ただし、あくまで体調面を気遣う時にのみ使えるので、使うシーンを誤ると違和感を与えることもあります。
NGな使い方例:
「長期休暇を取るんですね。お大事になさってください」
→体調不良ではなく旅行などの私的な予定には不適切。
よく使うシーンと例文(体調不良/欠勤/病気見舞いなど)
体調を崩して早退する同僚へ
→「無理せず、お大事になさってくださいね」
この一言は、カジュアルながらも気遣いが伝わる定番のフレーズです。社内チャットや口頭で伝えるときにも違和感なく使え、相手の回復を願う気持ちを自然に表現できます。より親しい間柄であれば「ゆっくり休んでね」と添えることで、温かみのある印象になります。
欠勤連絡を受けた上司への返信
→「お身体の具合が優れないとのこと、どうかご無理なさらずお大事になさってくださいませ」
目上の方への返信では、「お大事になさってください」や「お身体を大切に」といった表現を使うことで、丁寧さと敬意をしっかりと示すことができます。文面でのやり取りでは、相手の状況に応じて「ご自愛ください」などの表現を選ぶのも一つの方法です。
病気見舞いのメール文末
→「一日も早いご快復をお祈りしております。どうぞお大事になさってください」
お見舞いメールでは、回復を願う気持ちをしっかり伝えることが重要です。「ご快復」や「お祈りしております」といった言葉を添えることで、形式的になりすぎず、真心がこもった印象を与えることができます。
LINEやSlackなどチャットでのやりとり例
日常的な連絡ツールであるLINEやChatWork、Slackでは、メールほど堅苦しくない言葉遣いが好まれますが、相手との関係性や状況に応じた配慮は必要です。
同僚・友人宛
- 「体調崩したって聞いたよ、大丈夫?無理しないでね。お大事に!」
- 「早く元気になりますように!しっかり休んで!」
- 「無理せずゆっくり休んで〜また元気になったら会おうね!」
上司・先輩宛(ChatWorkやSlack、LINE WORKSなど)
- 「お加減が優れないと伺いました。どうかご無理なさらずお大事になさってください」
- 「突然のご体調不良とのことで、大変かと存じます。どうかお大事になさってくださいませ」
- 「何かフォローが必要でしたら、遠慮なくお申し付けください。ご快復をお祈りしております」
「ご自愛ください」の意味と注意点

「ご自愛ください」はどんな時に使う?
「ご自愛ください」は「自身の健康を大切にしてください」という意味で、相手の健康を長期的に気遣うニュアンスを持っています。体調不良の時だけでなく、季節の変わり目や忙しい時期などにも使える便利な表現です。
使用例:
「年度末でお忙しいかと思いますが、くれぐれもご自愛ください」
「お大事になさってください」との違いと使い分け方
表現 | 意味 | 使用シーン |
お大事になさってください | 体調が悪い人に「早く良くなって」と伝える | 風邪や病気で欠勤・早退したときなど |
ご自愛ください | 「健康に気をつけてください」 | 忙しい時期や季節の変わり目など |
ポイントは、「お大事になさってください」は現在進行形で体調が悪い人に、「ご自愛ください」は相手の健康を広く気遣いたい時(元気な時を含む)に使う、という違いです。
使い方を間違えると失礼?使用シーンと例文解説
間違った例:
インフルエンザで寝込んでいる人に → 「ご自愛ください」
→ 「ご自愛ください」が本来「ご自身の健康を大切にしてください(予防的な意味)」という性質を持つ一方、「お大事になさってください」は「今まさに体調が悪い人へ、回復を願ってかける言葉」のため、今回のケースで行くと、「お大事になさってください」が正しい表現となる。
正しい例:
「お仕事がお忙しいと存じますが、くれぐれもお身体お大事になさってください。」
→今まさに体調が悪い場合は、「お大事になさってください」の方が自然。
「お大事になさってください」「ご自愛ください」の正しい使い分け(例文付き)

メール・LINEなど文面での使い方の違い
- LINEなどカジュアルなやり取り
→「早く良くなるといいね!お大事にね」 - ビジネスメール
→「寒暖差の激しい日が続いております。くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。」
どちらも相手との関係性や文脈を考慮して使うことが大切です。
ビジネス・プライベートでの使い分け早見表
相手 | 状況 | 推奨表現 |
上司・取引先 | 体調不良時 | お大事になさってください |
上司・取引先 | 繁忙期・年末年始など | ご自愛ください |
友人・家族 | 体調を崩している場合 | お大事に |
友人・家族 | 季節の変わり目など | 体に気をつけてね、ご自愛ください |
体調を気遣う言い回しの言い換え一覧(「大事をとって」「お気になさらず」など)
- 「大事をとってお休みください」
- 「お気になさらないでゆっくりご静養ください」
- 「お体に気をつけてお過ごしください」
- 「どうか無理なさらずに」
体調不良時に好印象を与えるメール・LINEの例文集

上司・同僚・取引先など相手別の例文
上司宛(メール)
件名:ご体調について
○○部長
お身体の具合がすぐれないとのこと、心よりお見舞い申し上げます。
くれぐれもご無理をなさらず、どうかお大事になさってください。
同僚宛(チャット)
体調崩したって聞いたよ。無理せずゆっくり休んで!お大事に!
取引先宛(メール)
ご体調を崩されていると伺いました。ご無理なさらず、ゆっくりとご静養くださいませ。
一日も早いご快復をお祈り申し上げます。
「ご自愛ください」「お大事になさってください」の自然な添え方
両者は以下のように文末に自然に添えると好印象です。
- 「季節の変わり目で体調を崩しやすい時期です。くれぐれもご自愛くださいませ。」
- 「しっかり休んで、また元気にお会いできるのを楽しみにしています。どうぞお大事になさってください。」
急な休みにも誠意が伝わる一言とは?
- 「急なご連絡となり申し訳ありません。体調が戻り次第、改めてご連絡差し上げます。」
- 「無理をして悪化させないよう、大事をとってお休みさせていただきます。」
応用表現として覚えておきたい言い換え一覧

文章の中で同じ表現を何度も繰り返すと、やや冗長な印象を与えることがあります。そこで、「お大事になさってください」「ご自愛ください」と同じような意味を持ちつつも、少しニュアンスの異なる表現や関連語を適宜使い分けることもポイントです。
ビジネスメールで好印象を与える表現例:
- 「ご健康を第一にお過ごしくださいませ」
- 「時節柄、くれぐれも体調にはご留意ください」
- 「寒暖差の激しい日が続いておりますので、どうかお気をつけて」
プライベートな会話・LINEで使えるフレーズ:
- 「無理しないでね、ゆっくり休んで」
- 「体調崩さないようにね!」
- 「また元気になったら遊ぼうね」
また、「お大事にしてください」「大事をとってゆっくり休んでください」なども、場面によって使い分けられる便利な表現です。
まとめ:「お大事になさってください」「ご自愛ください」を上手に使って信頼される存在に
「お大事になさってください」や「ご自愛ください」は、体調を気遣う際に非常に役立つ言葉です。ただし、意味やニュアンスの違いを理解し、相手や状況に応じて正しく使い分けることが大切です。
敬意をもって言葉を選ぶことは、信頼関係を築く第一歩でもあります。ビジネスでもプライベートでも、相手を思いやる一言を自然に添えられるようになりましょう。