履歴書にアルバイトの職歴は書くべき?企業に調べられる?書き方や調査方法など不安を解消します

履歴書や職務経歴書を作成する際、次のような不安や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
「履歴書に書いたアルバイトの職歴は企業に調べられる?」
「そもそもアルバイトの経験を職歴に書く必要はある?」
「アルバイトの経験で本当のことを書かなかったらどうなる?」
この記事では、「履歴書にアルバイト職歴を書くべきか」「過去のアルバイト職歴は企業に調べられるのか」「企業はどうやって過去の職歴を調査するのか」といった疑問にお答えします。
また、アルバイト職歴の正しい書き方も併せて記載しているので、履歴書にアルバイト経験を書こうとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
履歴書にアルバイトの職歴は書くべきか

学生時代のアルバイト職歴について、履歴書に書く必要はありません。ハローワークが公開している「応募書類の作り方」の「アルバイト就業の記載方法」欄に以下の記載があります。
“学業期間中のアルバイト就業については通常記載しません。
ただし、卒業後のアルバイト就業や、学業期間中のアルバイト就業のうち、就業職務内容が応募先企業の職務内容に関係している場合、責任を与えられた仕事であった場合、ビジネスマナーの基本を習得していることをアピールできるような場合などは、アルバイト就業であることを明記の上で記載します。”
【引用】履歴書・職務経歴書の書き方,ハローワークインターネットサービス
上記にある通り、アルバイトの職歴が応募先企業の職務内容に関係している場合は、アピールポイントとして積極的に書くのが良いでしょう。
また、転職活動中で職歴に空白期間がある場合は、面接官に疑問を持たれる可能性もあるため、長期アルバイトの職歴や、経験が活かせるアルバイトの職歴は履歴書に書くことをおすすめします。
アルバイトの職歴で嘘をつくとどうなる?
履歴書は公式な書類のため、アルバイトの職歴であっても、嘘の情報を書くと経歴詐称として、刑法第159条「私文書偽造罪」などに該当する可能性があります。
内定取り消しや解雇など、自身のキャリアに影響を与える恐れもありますので、アルバイトの職歴を履歴書に書く場合は、正しい情報を書きましょう。
※ 基本的に、アルバイトの職歴を履歴書に書く必要はないため、「正確な情報が分からない」「情報を覚えていない」という場合は、無理して書く必要はありません。
アルバイトの職歴は企業に調べられる?
アルバイトの職歴を調べるかどうかは、企業によって異なります。
履歴書にアルバイトの職歴を書いたとしても、目を通すだけで質問をしないという企業もあれば、アルバイトの職歴に関して具体的に質問をしてくる企業もあります。
就職・転職活動中に提出する書類(雇用保険被保険者証や源泉徴収票)から調べることも可能のため、履歴書にアルバイト職歴を書く際は、正しい情報を書きましょう。
アルバイトの職歴・企業側の調査方法

企業側は、どのように職歴欄に記載された情報を調査しているのでしょうか。ここでは、具体的な調査方法をいくつか紹介します。
ただし、「アルバイトの職歴を企業が必ず調べる」というわけではありません。就職活動中の知識として、頭に入れておくと良いでしょう。
雇用保険被保険者証から調べる
厚生労働省の定めにより、学生以外で1週間の所定労働時間が20時間以上、31日以上はたらく見込みがある場合は、アルバイトであっても雇用保険に加入する必要があります。
そして、過去のアルバイト先で雇用保険に加入していて、次の勤務先で雇用保険への加入が必要な場合、「雇用保険被保険者証*」の提出が求められます。
*雇用保険に加入すると必ず発行される証明書のこと
その際、雇用保険被保険者証と連結している「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」の提出も同時に求められた場合、通知書に書かれている「前職の企業名や資格取得年月日」と履歴書を照会することで、企業側はアルバイト職歴を調べることが可能です。
【出典】雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!,厚生労働省
年金手帳から調べる
厚生労働省の定めにより、被保険者数51名以上の企業等に、学生以外で1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満、月額賃金8.8万円以上、2カ月以上はたらく見込みがある場合は、アルバイトであっても厚生年金保険・健康保険に加入する必要があります。
そして、過去のアルバイト先で厚生年金保険に加入していて、次の勤務先で厚生年金保険への加入が必要な場合、入社時に「年金手帳(もしくは基礎年金番号通知書)※」の提出が求められます。
年金手帳に自身で加入記録を書いている場合、年金手帳の記録データと履歴書を照会することで、企業側はアルバイト職歴を調べることが可能です。
※厚生年金保険に加入すると必ず発行されます。
【出典】社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について,厚生労働省
源泉徴収票から調べる
国税庁の定めにより、源泉徴収票は雇用形態に関係なく企業側が交付することを義務付けており、アルバイトにも例外なく発行されます。
そして、前職の源泉徴収票は、企業側が社員(アルバイト含む)の年末調整を行うために必要な書類のため、入社時に提出を求められます。
その際、源泉徴収票に書かれている収入等の情報と履歴書を照会することで、企業側はアルバイト職歴を調査することが可能です。
面接時や入社後に口頭で確認する
アルバイト職歴の調査方法として、企業側は「面接時や入社後に口頭で確認する」ことがあります。たとえば、面接時に、企業側は具体的な経験やスキルを深掘りするために、履歴書に記載のあるアルバイト職歴を聞くことがあります。
また、入社後に、懇親会や飲み会の席で身の上話をした際に、過去のアルバイト歴を話してしまうことがあるでしょう。
その際、履歴書と異なることを言ったり、十分に説明ができなかったりすると、企業側は不信感を抱いてしまう可能性もあるため、注意しましょう。
勤務先の友人や知人に確認する
応募先である企業に、自身と関係のある友人や知人がいる場合は、「その人たちにアルバイト職歴に関して確認される」こともあります。
何気ない社員との会話で、アルバイトの職歴を企業側が知るという可能性もあることを考慮しておきましょう。
【アルバイト履歴書】職歴の正しい書き方
ここからは、履歴書におけるアルバイト職歴の正しい書き方について押さえておきたい5つのポイントを紹介します。
(アルバイト職歴の記載例)
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
2020年 | 4月 | 株式会社〇〇 入社(アルバイト) |
2022年 | 3月 | 株式会社〇〇 退社 |
2022年 | 7月 | △△株式会社 入社(アルバイト) |
Webエンジニア職として従事(アプリケーション開発業務を担当) | ||
2024年 | 5月 | △△株式会社 退社 |
現在に至る |
- 和暦・西暦の書き方は統一する
履歴書にアルバイト職歴を書く際は、「和暦(令和〇年)」や「西暦(◻︎◻︎年)」の書き方は統一しましょう。
- 会社名の後に「(アルバイト)」と書く
アルバイトの職歴を履歴書に書くとき、会社名の後ろには、必ず「(アルバイト)」と書きましょう。
※ 「アルバイトとして入社」と記載しても可
- 入社・退社、以上を書く
過去に就業経験のあるアルバイトの入社・退社の時期をそれぞれ書きましょう。
また、職歴の終わりには、「以上」(または「現在に至る」)と書いて締めましょう。
- アピールしたい業務内容は簡潔に書く
業務内容も簡潔に書きましょう。
応募先企業で活かせるスキルや経験を書くことで、企業へのアピールとなります。
- 複数のアルバイト経験は古い順に書く
アルバイトの職歴は、時系列に則して書くのが一般的です。
複数のアルバイトの経歴をまとめて書く場合も、入社した時期が古い順に書きましょう。
【出典】履歴書・職務経歴書の書き方,ハローワークインターネットサービス
アルバイトの職歴を書く際は正しく記載を
「過去のアルバイトの職歴は企業に調べられるのか?」という疑問を中心に、アルバイト職歴を書く必要性や企業の調査方法、アルバイト職歴の正しい書き方について紹介しました。
アルバイトの職歴は履歴書に書く必要はありませんが、応募先企業の希望職種に関連する場合はアピールポイントとして積極的に書くのが良いでしょう。
履歴書にアルバイトの職歴を書く際は、正しく記載して、しっかりと自分の魅力をアピールしましょう。