飲食店アルバイトの採用単価を下げるには?効果的な削減方法【事例付】

「一人当たりの採用コストはどれくらい?」
「飲食店アルバイトの採用単価を下げるにはどうすれば良い?」
アルバイトの採用コストを引き下げるにはどうすれば良いか、悩む飲食店の人事担当者の方もいるのではないでしょうか?
採用コストを下げるには、採用単価の平均を知り、その平均と自店舗の採用単価を比較することから始まります。その上で、コスト削減目標をクリアするための施策を打つことが重要です。
本記事では、飲食業界の現状や平均採用単価の動向のほか、飲食店アルバイトの採用単価を効果的に削減する方法と成功事例を徹底解説します。
知っておきたい飲食業界の現状
飲食店における採用コストを下げるには、飲食業界全体の現状を把握することが重要です。
ここでは、アフターコロナにおける外食需要の動向や、他業界との人材不足の比較を解説します。
アフターコロナにおける外食需要の急回復
コロナの5類移行などを背景に、アフターコロナにおいて外食需要が急速に高まっているなか、インバウンド増もあり外食需要は堅調な状況です。
一般社団法人日本フードサービス協会の調査によると、2025年1月度は、年末年始の国内移動や過去最高を更新したインバウンド増により、外食全体の売り上げは前年比107.7%増となっています。
しかし、売上ベースでは伸びているものの、一部では原材料等の高騰による単価上昇で、客数の減少がみられる状況です。
【出典】外 食産業市場動向調査 2025年1月度 結果報告,一般社団法人日本フードサービス協会
飲食業界の人材人手不足割合は他業界よりも高い?
少子高齢化を背景に、人材人手不足は深刻化しています。
帝国データバンクの調査によると、「正社員」の人材人手不足割合は51.7%で5割を上回っており、業種別では「情報サービス」が70.2%とトップになっています。
一方、「非正社員」の人材人手不足割合は29.5%で、業種別では「飲食店」が64.3%と最も高くなっています。
飲食店や旅行・ホテルでは、アフターコロナの到来により深刻な人材人手不足が続いた中、2024年にはインバウンド増も大きく影響しました。
このように、飲食業界では特に非正社員の人材人手不足が深刻な状況です。
【出典】 人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月),株式会社 帝国データバンク
採用単価とは?基本の考え方と計算方法
採用単価を知る上で、そもそも採用単価とは何かを把握することが重要です。ここでは、採用単価の定義や計算方法を解説します。
採用単価の定義
アルバイトの採用単価とは、アルバイトを採用する際の一人当たりの費用です。
この採用単価が低いほど、費用効率が高く採用できたといえます。自社の採用単価と平均との比較によって費用効率を測ることが可能なため、採用活動上、重要な指標になります。
具体的には、採用手法や求人サイトの見直しなど、採用活動を改善する1つの尺度となりますので、定期的に自店舗の採用単価推移を把握しておくことが大切です。
採用単価の計算方法
採用単価は、一定期間における「採用総費用」に対し、その期間に「採用した人数」で割ることで計算ができます。
具体例を示しますので、計算してみましょう。
(具体例)
- 1月~12月の一年間に要した採用総費用:1,000,000円
- 1月~12月の一年間に採用したアルバイト人数:20名
- 採用単価:1,000,000円 ÷ 20名 = 50,000円
このように、アルバイトの採用単価は、一定期間における採用に要した費用合計と採用したアルバイト人数があれば計算可能です。
飲食店アルバイトの平均採用単価
続いて、自店舗の採用単価を評価するうえで、必要な飲食店のアルバイト平均単価をみていきましょう。
アルバイトの平均採用単価の動向
まずは、業界全体の動向を時系列で解説します。
2023年3月におけるマイナビバイトの調査によると、業界全体では2021年に比較して2022年の採用単価は、約1万円の増加です。
2020年との比較では約2万円の増加であり、コロナの影響もありますが、年々採用単価が上がっていることが確認できます。
少子高齢化を背景に、業界全体でも人材確保の難しさが浮き彫りになっていることが分かります。
【出典】採用活動に関する最新調査データについて,マイナビバイト
飲食店の平均採用単価
続いて、飲食店の平均採用単価を確認しましょう。
マイナビバイトの調査によると、2022年度における「飲食・フード」の平均採用単価は6.7万円で、業界全体の7.0万円に対して平均より若干低いことが分かります。
飲食業界のアルバイトは比較的敷居が低く、人気が高いことも影響していると考えられます。
【出典】マイナビバイト | 採用活動に関する最新調査データについて | 株式会社マイナビ
飲食店アルバイトの採用単価を削減する3つの方法

少子高齢化などを背景に人材人手不足が深刻化するなか、自店舗の採用単価をどのように下げるべきか悩む方も多いのではないでしょうか?
ここでは、飲食店アルバイトの採用単価を下げる方法を解説していきます。
1.成功報酬型求人の活用
飲食店アルバイトの採用単価を下げる効率的な方法として、成功報酬型求人の活用があります。
求人広告や従来型の求人ナビサイトの場合、募集しても採用できなければ、かけた費用が無駄になります。数十万円の広告費をかけても、一人も採用できなかったというケースもあるでしょう。
しかし、成功報酬型求人なら、求人掲載が無料で、アルバイトを採用できるまで費用はかかりません。「求人広告や求人ナビサイトで広告費をかけても採用できない」といったリスクを解消できる成功報酬型求人は、採用単価を下げる有効な手段の1つです。
2.スキマバイトサービスで柔軟な採用を実現
スキマバイトサービスの活用も、採用単価を下げる効果的な手法です。
成功報酬型で、日給に対し30%の紹介手数料が発生するケースが一般的です。引き抜きが可能なスキマバイトサービスなら、短期雇用のスキマバイト人材を引き抜く仕組みによって、採用ミスマッチを減らしつつ、長期雇用につなげられます。
スキマバイトは、単発人材向けの活用しかできないと思われやすいですが、単発ではたらいてくれる人材の仕事ぶりを見て、自店舗にマッチした人材を見極めるメリットがあります。
3.リファラル採用の導入
既存スタッフの友人や知人を紹介してもらうリファラル採用は、採用コストを下げつつ、長期人材を雇用する有効な方法です。自店舗をよく知るスタッフが、友人・知人にありのままの仕事内容を伝えるため、ミスマッチが少ないメリットがあります。
また、求職者にとっては知り合いがいる安心感もあり、馴染みやすいことも利点の1つです。
このように、既存スタッフから紹介してもらうリファラル採用を活用し、採用コストを抑えながら定着率を向上させることが可能です。
飲食店アルバイトの採用単価を削減した成功事例
ここまで説明してきた採用単価の削減策の事例として、「株式会社串カツ田中ホールディングス」と「株式会社エー・ピーカンパニー」の事例を紹介します。
成功報酬型求人で採用の効率化・ミスマッチを防いだ事例【株式会社串カツ田中ホールディングス】
同社は、時期や地域によって思うように採用がうまくいかず、従来型の求人媒体に限界を感じていたところ、単発アルバイト採用だけでなく、長期アルバイト採用を前提として、スキマバイトサービス「シェアフル」を活用しました。
効率的なスキマバイトの活用とともに、スキマバイトに来てくれた人材を引き抜くことで、6カ月で約30名の長期アルバイト採用を成功させています。
採用コストを削減させるだけでなく、実際のはたらきぶりを見て引き抜くことで、ミスマッチの減少も実現しています。
【串カツ田中ホールディングス】長期のアルバイトを6ヶ月で30名採用成功!シェアフルが新たな採用手法に
採用単価を抑えながら、飲食店で効率的なアルバイト採用を実現しよう!
本記事では、飲食業界の現状や平均採用単価の動向のほか、飲食店アルバイトの採用単価を効果的に削減する方法と成功事例を解説しました。
飲食店におけるアルバイトの採用コストを抑えるには、自社の採用単価と平均の採用単価を比較し、効果を定期的に検証していくことが成功のカギになります。
その上で、成功報酬型求人やスキマバイトを活用した長期人材の採用、リファラル採用の導入など、自店舗の状況に合わせた削減手法を検討することが大切です。
本記事を参考に、採用単価を抑えながら効率的なアルバイト採用を実現してみてください。