ITインストラクターとは?ITコンサルタントとの違いや将来性を解説

パソコンやスマートフォンをはじめ、タブレットやIoT家電など生活の中にITが浸透している昨今。
日々の生活の中で「IT」はもはや欠かせないものとなりました。
そのため、今までITにあまり触れてこなかった企業や個人が学びの場を必要としており、ITインストラクターの需要は年々増しています。
ITインストラクターとは、具体的にどのような職業なのでしょうか。
この記事にて、ITインストラクターの仕事内容や年収、必要とされるスキルなどの詳細について紹介していきます。
日頃からパソコンを触ったりする方であれば、即戦力として活躍することも可能な職業です。
ぜひ最後までご覧ください。
ITインストラクターとは?概要や仕事内容

ITインストラクターは、企業や個人向けに「ITに関するさまざまな技術を指導する仕事」です。
一昔前だとパソコン教室での指導が主だったITインストラクターですが、最近では企業の従業員たちに指導をする機会も増えています。
最新のIT技術を指導し、企業の経営をサポートする
最新のIT技術をみずから導入・活用できるスタートアップのような企業は、日本でも全体の10%ほどでしょう。
多くの企業はDX化で遅れを取らないように、従業員に対するIT講習を手厚く実施しています。
※DX化:直訳すると「デジタル改革」のこと。ITの浸透がビジネスをあらゆる面でいい方向に変化させる、といった意味合い
そういった企業向けにITインストラクターは、ビジネスを円滑にするためのアプリケーションの操作方法や、最新のITノウハウなどを指導します。
子供から大人まで、幅広い年齢層に指導する
幅広い年齢層とコミュニケーションをとるのも、ITインストラクターの仕事です。
最近では小学生ですらプログラミングを学び、今までITと無縁だったご高齢者ですら、スマートフォンを持っています。
そういった方々があと少し知識を得たいとき、パソコン教室を利用するのです。
しかし中には一度の説明では理解できなかったり、できないことをそのまま放置して諦めてしまう方も少なくありません。
ITインストラクターはそういった一人一人の生徒と、柔軟なコミュニケーションをとっていけるスキルも必要です。
ITインストラクターの主な仕事3つとその年収

ITインストラクターとひとえにいっても、その仕事内容や年収はさまざまです。
代表的な3つの仕事について、下記にて解説していきます。
※それぞれの年収は、求人に記載されているアルバイト〜正社員、難易度の低いものから高いものまでをすべて含めた数字で記載しています
1. パソコン教室の指導員
年収およそ:200〜300万円
パソコン教室では、小さな子供からご高齢者といった幅広い年齢層に、パソコンの基本的な操作からインターネットの活用方法などを指導をしていきます。
「ITによって私生活をちょっとずつ豊かにしたい」という思いをもった生徒が多く、できないことができるようになったときなどは笑顔があふれ、とてもやりがいのある仕事です。
自分のスキルに合わせて働き先を選ぶことができます。
2. 大学・専門学校の講師
年収およそ:250〜300万円
大学や専門学校では、パソコン教室よりもさらにレベルの高い知識を指導します。
Office系アプリケーションの操作はもちろん、
- レポートやプレゼンテーション資料がより分かりやすくなる工夫
- トラブルに巻き込まれないためのネットリテラシー
といったIT技術以外の指導をすることもあります。
3. 企業向け研修会の講師
年収およそ:350〜600万円
昨今の急速なIT化により、企業向けの講習も需要を増しています。
会場へ来てもらうこともありますし、外部講師として企業へ出向いて指導することも多いです。
その企業によって指導するレベルも内容もバラバラですが、ビジネスに必要なIT技術の活用方法を指導するのは共通しており、ITに関するプロフェッショナルレベルの知識とスキルが必要でしょう。
また話を論理的かつ端的に、分かりやすく伝える力も必要です。
ITインストラクターとITコンサルタントの違い

ITインストラクターとITコンサルタントは一緒くたにされがちな職業ですが、求められるスキルや業務内容が違います。
それぞれの役割の違いについて、下記にて解説します。
ITインストラクターの役割
ITインストラクターは、パソコンやソフトウェアの使い方などIT技術そのものを指導することで、生徒一人一人のスキルアップをサポートするのが主な役割です。
幅広い年齢層へ指導するので、ときには粘り強くコミュニケーションをとることや、噛み砕いて説明する柔軟さも大切です。
また現場によっては、生徒一人一人へのヒアリングはもちろんのこと、カリキュラムやプレゼンテーション資料の作成をしたりすることもあるでしょう。
ITコンサルタントの役割
ITコンサルタントは、IT技術を利用してクライアント企業の経営をより良い状況に導くための支援やアドバイスが主な役割です。
コンサルティングをするにあたって、まずは企業のビジネスや業務内容、経営戦略などをヒアリングし、それらを深く分析していきます。
そして企業の経営課題を洗い出し、IT技術でどのように業務効率化やコスト削減、売り上げアップができるかを考え提案・実装していきます。
またコンサルティング後もしっかりと効果が得られるよう、システムの運用や改善の責任者となる場合もあるでしょう。
平均年収は500万〜と高く、やりがいのある職業ですが、
- 問題解決力
- 高度なIT知識
- 思考ツール活用力
- コミュニケーション力
- プロジェクトマネジメント力
- ソフトウェア・エンジニアリング知識
といった非常に高いレベルかつ、幅広いスキルが必要となるのもまた事実です。
そういったことから未経験からでは敷居が高く、IT系の仕事に就きたいときにまず考えられるのは、やはりITインストラクターとしてのキャリアスタートではないでしょうか。
ITインストラクターであれば、後述するスキルがあれば即戦力になることも可能です。
ITインストラクターに必要なスキル3選

ITインストラクターに求められるのは、主に次の3つです。
1. IT関連の幅広い知識
パソコンやソフトウェアの知識・操作を指導するためには、何よりもまず自分自身がしっかりとそれを理解し習得している必要があります。
中途半端な知識や理解では、生徒に対して分かりやすくスムーズに伝えるということはできません。
Office系のアプリケーション(とくにWord、Excel、PowerPoint)操作は必須として、メールソフトの使い方やよく使うショートカットキーなど、幅広い知識が求められます。
とはいえ、もともとパソコンが趣味でよく触っている方にとっては常用的な知識も多く、そういった方はすぐに即戦力となることも十分できるでしょう。
2. 最新情報を収集する能力
IT業界は技術進歩がとても早いため、便利なサービスや安価で性能の良いIT機器など、どんどんアップデートされていきます。
さまざまな質問を受ける機会の多いITインストラクターとして、ときに最新情報をスムーズかつ正確に伝える必要のある場面も出てくるでしょう。
これまでに習得してきたITの知識やスキルに満足するのではなく、日頃から最新情報にアンテナを立てて収集する力のある人がITインストラクターに向いているといえます。
3. コミュニケーションスキル
どんな生徒にも適切なアプローチがとれるようなコミュニケーションスキルが必要です。
生徒によって年齢や能力もさまざまで、中には自分は何が分からないのかすら分からなかったり、少しのミスで自信を無くしてしまう生徒もいます。
すべての生徒が楽しくスキルアップできるように、いつも生徒のレベルに合わせて粘り強く丁寧なコミュニケーションをとっていくことが大切です。
- 「この人はいまどんなところが分からないのかな?」
- 「パソコンでどんなことができるようになりたいのかな?」
といったように、いつも低い姿勢で生徒の状況や気持ちを汲(く)みとれる力のある人は、ITインストラクターにとても向いているでしょう。
ITインストラクターにおすすめな資格5選

ITインストラクターになるために必須の資格はありませんが、持っておくことで「スキルの証明」になりますし、年収や就職のしやすさにも関わってきます。
下記にてITインストラクターの「求人に記載されている頻度の高い資格」を5つ紹介します。
1. ITパスポート
取得条件 | なし |
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難易度 | ★★★☆☆ |
合格率 | 50% |
ITパスポートは「国家資格」で、ITに関する基礎的な知識があることを証明します。
IT系の国家資格としては入門レベルにあたり、未経験者でもしっかりと勉強をすることで十分に合格可能な範囲です。
またITのみならずビジネスに関する知識も問われるため、ITインストラクターだけでなく、さまざまな業種への就職・転職に役立つでしょう。
2. 基本情報技術者試験
取得条件 | なし |
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難易度 | ★★★★★ |
合格率 | 20% |
基本情報技術者試験は「国家資格」で、IT技術者への登竜門とも呼ばれています。
ITの基本的な知識・技術、論理的思考力やマネジメント知識まで証明できることから、IT系の資格の中でもとくに人気が高い資格です。
持っていれば「IT企業で指導できるレベルの人材」としても評価され、それだけ高い年収を狙うことができるでしょう。
もちろんそれだけ難易度も上がり、合格率もITパスポートの半分以下という水準です。
これからITインストラクターを目指す人は、まずはITパスポートの取得を視野に入れるべきでしょう。
3. ACA(アドビ認定アソシエイト)
取得条件 | なし |
---|---|
難易度 | ★★☆☆☆ |
合格率 | 60% |
ACAはadobe社が公認する「国際資格」で、PhotoshopやIllustratorの基本的な利用スキルを証明します。
国際資格なので、持っていれば世界のどこにいても通用するというのも大きな特徴です。
デザイン系ソフトウェアに強いITインストラクターとして信頼性も高まるでしょうし、趣味で触っていたりする方であれば、比較的簡単に取得できます。
また未経験者でも独学で十分合格を狙える難易度なので、ITインストラクターへの第一歩としてオススメの資格といえます。
4. MOS(マイクロ オフィス スペシャリスト)
取得条件 | なし |
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難易度 | ★☆☆☆☆ |
合格率 | 80% |
MOSはマイクロソフト社が公認する「国際資格」で、WordやExcelなどOfficeソフトの利用スキルを証明します。
マイクロソフト社といえば、世界的な企業として知らない人はおらず、パソコンスキルを証明する資格の中でもとくに人気があります。
ITインストラクターにとってWordやExcelは生徒に指導する機会もとても多く、ITインストラクターを目指すなら必須級の資格といえるでしょう。
また、先述したITパスポートと比べて、ITインストラクターとしての即戦力が求められる場合にはMOSの方が重宝される傾向にあります。
ITインストラクターを目指す際には、MOSの取得を前向きに検討しましょう。
5. 全情協パソコンインストラクター資格認定
取得条件 | ■申込時に満20歳以上かつ、 全日本情報学習振興協会が実施する下記いずれかに合格している者 ・パソコン技能検定II種試験2級以上 ・パソコン技能検定ビジネス実務試験実践以上 ・パソコン検定文書・表計算試験2級以上 ・MCAS・MOSスペシャリスト(一般)以上■特例として下記に該当する者 ・パソコン指導実務経験3年以上で、 かつ指導実務時間が年間100時間以上合計300時間以上の者 ・パソコン指導実務経験1年以上で、かつ指導実務時間が年間100時間以上の者 |
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難易度 | ★★☆☆☆ |
合格率 | 50% |
全情協パソコンインストラクター資格認定は、IT技術を教える高度なインストラクターであることを証明する資格です。
IT技術だけではなく、生徒とのコミュニケーションやトラブル対応など、インストラクター業としての全般知識が問われます。
適切な指導スキルを備えたITインストラクターは需要も高く、人気の高い資格です。
ITインストラクターとしてのキャリアスタート時には難しいかもしれませんが、キャリアを積み取得することで、ITインストラクターとして活躍できる場が増えるでしょう。
ITインストラクターのキャリアプラン3選

ITインストラクターはキャリアプランも豊富です。
下記にて代表的なものを3つ紹介します。
1. より専門的な職種に就く
ITインストラクターは働く場所の選択肢がとても多いので、自分のスキル次第でより専門的な職種に就くことができます。
真っ先に考えられるのは、企業の専属インストラクターです。
今や日本中どこの企業でも、IT技術による事業拡大が進んでおり、企業によるITインストラクターの需要はどんどん増えています。
とくに専属の場合は、子供やご高齢者が主なパソコン教室に比べて、より実務に特化したIT技術の指導がメインになるため、自ずと収入もアップも見込めるでしょう。
2. マネジメント業務に移る
ITインストラクターとしてのキャリアを積む中で、生徒へ指導するほかにもスクール運営や後輩インストラクターの育成といった、マネジメント業務も任されるようになるでしょう。
マネジメントスキルを磨くことで、いずれはインストラクターからマネジメントへのキャリアアップも可能で、地位や収入アップも見込めます。
自分の経験を元により良いスクールや人材を築き上げていくのは、とてもやりがいのあることです。
3. フリーランスに転身する
ITインストラクターとしてのキャリアや知名度が増えれば、フリーランスに転身することも可能になります。
フリーランスになることで、各地での講演業務など、場所を選ばない働き方ができるようになるため、それだけ新しい出会いや刺激と巡り会うことができます。
自分の人生にとって大きなチャンスとなるような仕事や機会が舞い込んでくることも十分にあり、想像もできないような大きなキャリアを開くことだってできるでしょう。
まとめ
ITインストラクターについて最後にまとめます。
- 子供から大人まで、さまざまな人にIT技術を指導する
- ITの発展によりインストラクターの需要が高まっている
- 年収は300〜400万円ほどと平均的
- 幅広いIT知識とコミュニケーションスキルが必要
- 能力や経験に応じてさまざまなキャリアプランがある
ITインストラクターは人が成長する姿をそばで見られる、とてもやりがいのある仕事です。
年収だけでみると平凡さは否めませんが、残業や休日対応もほとんどなく、プライベートと両立した働き方ができる魅力もあります。
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