パートの社会保険加入条件は?年収の壁・保険料・損しないはたらき方を最新情報で解説

パートやアルバイトとしてはたらいている方の中には、「社会保険って自分にも関係あるの?」「年収いくらまでなら加入しなくていいの?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。以前は正社員向けと思われがちだった社会保険ですが、制度の改正により、今では多くのパート・アルバイトも加入対象となっています。
特に社会保険の適用拡大は近年大きく進んでおり、2025年6月13日には年金制度改正法(社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律)が成立しました。今後は企業規模要件の縮小・撤廃や賃金要件の見直しが段階的に進む予定です。知らずにいると、「気づいたら扶養から外れていた」「思ったより手取りが減った」と感じることもあります。この記事では、パートが社会保険に加入する現行条件、2025年改正のポイント、保険料の考え方、メリット・デメリット、損をしにくいはたらき方まで、最新情報をもとに整理します。
そもそも社会保険とは?
社会保険とは、病気やケガ、老後など、人生のリスクに備えるための公的な保険制度です。本記事では、主にパートの方に影響が大きい 被用者保険(健康保険・厚生年金保険) を中心に解説します。
- 健康保険:病気やケガの治療費、出産時の手当金、傷病手当金などに使われる
- 厚生年金保険:将来受け取る年金の額に影響する
この2つに加入すると、保険料は給料から自動的に天引きされます。
パート・アルバイトでも対象になる社会保険
かつては正社員などのフルタイム労働者が中心でしたが、法改正によりパートやアルバイトでも一定の条件を満たす方(以下「短時間労働者」といいます)であれば社会保険の加入対象となります。勤務形態に関係なく、労働時間や収入が一定以上あれば対象になるのが現状で、勤務先が加入手続きを行います。
パートが社会保険に加入する条件【2026年4月時点】
2025年からの法改正とポイント
2025年6月に成立した改正法では、社会保険の適用拡大について次の方向性が示されました。
- 短時間労働者の企業規模要件を縮小・撤廃
- いわゆる106万円の壁につながる賃金要件を将来的に撤廃
- 個人事業所の適用対象を拡大
現在の短時間労働者の企業規模要件は、基本的に従業員51人以上ですが、2027年以降、段階的に企業規模要件が縮小・撤廃されていく予定です。具体的には、従業員数36~50人の企業は2027年10月から、従業員数21~35人の企業は2029年10月から、従業員数11~20人の企業は2032年10月から、従業員数10人以下の企業は2035年10月から社会保険適用拡大の対象となる予定です。
なお、改正法では個人事業所の適用対象も広がります。現在、個人事業所のうち、常時5人以上の者を使用する法定17業種の事業所は、社会保険に必ず加入することとされています。今回の改正で、常時5人以上を使用する個人事業所の全業種適用は2029年10月施行予定です。また、2029年10月時点ですでに存在する事業所は当分の間対象外です。
労働時間・月収・勤務先の従業員数で変わる加入条件
短時間労働者の方が、2026年4月現在、厚生年金や健康保険に加入するためには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上(年収換算:約106万円)
- 勤務期間が2か月を超える見込み
- 勤務先の従業員が51人以上の企業等(今後段階的に引き下げ予定)
- 学生ではない(社会人大学院生等は除く)
※参照元:社会保険適用拡大特設サイト | 厚生労働省
※参照元:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大| 日本年金機構
よくある誤解「年収130万円未満なら大丈夫?」
「130万円を超えなければ社会保険に入ることはない」と考えがちですが、これは配偶者の扶養判定でよく意識される基準です。実際には、短時間労働者の社会保険加入は、年収だけでなく週20時間以上か、月額賃金が8.8万円以上か、企業規模を満たすかなどで決まります。
そのため、年収130万円未満でも、現行要件を満たせば社会保険の加入対象になる場合があります。逆に、週20時間未満なら原則として社会保険の加入対象にはなりませんが、年収130万円以上になると扶養から外れて国民年金・国民健康保険の負担が生じる場合があります。

社会保険料はいくらかかる?パートの保険料シミュレーション
保険料の計算方法(標準報酬月額から算出)
社会保険料は、毎月の給与をもとに決める「標準報酬月額」で計算します。厚生年金の保険料率は現状18.3%で、事業主と被保険者が半分ずつ負担します。つまり、本人負担分は標準報酬月額の9.15%です。
毎月の給与から天引きされる金額は、この標準報酬月額の9.15%に、健康保険の本人負担分(加入先や都道府県で異なる)が上乗せされます。なお、40歳以上の方はここに介護保険料も加わります。
給与ごとの目安(例:月10万円・月15万円)
| 月収 | 社会保険料(本人負担) | 手取り月収の目安 |
| 10万円 | 約1.5万円前後 | 約8.5万円 |
| 15万円 | 約2.4万円前後 | 約12.6万円 |
※協会けんぽ加入で40歳以上を想定。あくまで目安であり、また、実際には住民税や所得税も引かれる場合があります。
会社負担と本人負担の内訳
社会保険料は、原則として会社と本人で折半します。たとえば保険料総額が月3万円なら、本人負担は1.5万円、会社負担も1.5万円です。この「会社負担分」があるため、国民年金や国保に比べて保障内容が手厚くなっています。
保険料は毎月変わる?4月〜6月の報酬がカギ
保険料は年に1回、4月〜6月に支払われた給与の平均額で決まります。これを「標準報酬月額の定時決定」と呼び、その年の9月から翌年8月までの保険料に反映されます。
この期間だけ残業が多かったり、収入が高くなったりすると保険料が上がることがあるため、年間のはたらき方をこの時期に合わせるのがコツです。なお、例外として所定の要件を満たすと、年間の平均給与月額をもって算定する特例措置もあります。
社会保険に加入するメリット・デメリット
メリット:将来の年金額が増える/健康保険の保障が手厚い
社会保険に加入すると、将来もらえる年金額が国民年金だけよりも多くなります。また、健康保険の給付(傷病手当金・出産手当金など)も対象になるため、リスクに備えられるのが大きなメリットです。
デメリット:手取りの減少/配偶者の扶養から外れる可能性
一方、毎月の保険料負担により手取りが減るのは避けられません。また、社会保険に入ると配偶者の社会保険上の扶養から外れてしまいます。
パート主婦の「はたらき損」を避けるには?
「少し多くはたらいたのに、手取りが減ってしまった…」というのが、いわゆる「はたらき損」です。年収が130万円を超えて扶養から外れると、保険料の負担で手取りが大幅に減ることも。反対に、加入してもはたらく時間が少なければ、保険の恩恵が実感しづらいこともあります。
はたらき損を避けるには、
- 年収をしっかり抑える
- 思い切って年収を増やし、保険メリットを得る
- 4〜6月のはたらき方に気をつける
など、計画的なはたらき方が大切です。
▶収入を増やす選択肢として、パート以外に在宅でできる副業もあります。在宅ワークやスキマ時間を活用した副業の全体像はこちら


社会保険に入りたくない!年収はいくらまでに抑えるべき?
年収の壁(106万円・130万円・150万円)とは
パートで意識したいのが、いわゆる「年収の壁」。主に以下の3つがあります。
- 106万円の壁:現行制度では、月額8.8万円以上・週20時間以上・企業規模要件などを満たすと社会保険加入の対象になりうるライン
- 130万円の壁:配偶者の扶養から外れる目安として意識されやすいラインで、超えると自分で保険料を払う必要が出てきます。
- 150万円の壁:配偶者の配偶者特別控除の満額が受けられる上限。税金の負担に影響。
自分がどの壁に当てはまるかを知っておくことで、損を避けたはたらき方ができます。
年間のはたらき方と「4月〜6月」の注意点
社会保険料は「標準報酬月額」に基づいて決まりますが、これは4月〜6月に受け取った給与の平均額で決まるのが基本です。この3ヶ月での収入が高いと、その後1年間の保険料も高くなってしまう可能性があります。
たとえば、普段は月8万円の収入でも、4月〜6月だけシフトを増やして月12万円稼ぐと、その高い金額が基準になって保険料が高めに設定されてしまうことも。このため、社会保険料を抑えたい人は、4月〜6月のはたらき方に特に注意が必要です。
逆に、社会保険にしっかり入りたい・将来の年金額を増やしたい人にとっては、この期間にしっかりはたらくのが有利になるケースもあります。
扶養内ではたらくためのポイント
扶養内を優先するなら、次の点を意識したほうが安全です。
配偶者の扶養内でいたいなら、以下の3点を意識しましょう。
- 年収130万円未満をキープ:130万円を超えると扶養から外れます。
- 週の労働時間を20時間未満にする:社会保険加入の目安ラインです。
- 職場の従業員数を確認する:2027年10月以降、段階的に加入対象の企業規模が引き下げられます。
- 今後の制度改正で条件が変わる可能性も見込まれます。
これらをふまえ、自分に合った「損をしないはたらき方」を選びましょう。
社会保険料に関するよくある質問【Q&A】
社会保険に入ると手取りはどれくらい減る?
厚生年金だけでも本人負担は標準報酬月額の9.15%で、これに健康保険料の本人負担分が加わります。月収10万円台なら、保険料だけで1万円台前半〜半ば程度が目安になるケースが多いです。正確な金額は地域や年齢によって変わります。
Q. パートを掛け持ちした場合はどうなる?
掛け持ちの場合は、単純に「収入が多い会社だけで加入」とは言い切れません。複数の勤務先で加入要件を満たす場合は、届出や取扱いの確認が必要になることがあります。実務では勤務先の担当者や年金事務所に確認するのが安全です。
保険料は会社が全部負担してくれないの?
いいえ、保険料は本人と会社で折半します。全額会社負担にはなりません。
社会保険に加入すると扶養控除はどうなる?
加入条件を満たして厚生年金・健康保険に入ると、社会保険においては配偶者の扶養のままではいられないケースが一般的です。一方で、130万円の壁については、一時的な収入増に対応する特例が使える場合があります。
まとめ|2025年の社会保険改正でパートはどう動くべき?
2025年の法改正によって、これまで対象外だったパートにも社会保険加入が義務化されるケースが増加します。「知らなかった」で損をしないためには、自分の労働条件や年収、会社の規模などをよく確認し、賢くはたらき方を選ぶことが重要です。
もしも「もっと自由にはたらきたい」「短期やスキマ時間で収入を得たい」と思ったら、はたらき方を変えることも一つの方法です。
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社会保険の加入条件を気にしながら、自由にスケジュールを調整できるのが大きな魅力です。







