飲食店のアルバイト募集はどう選ぶ？仕事内容やおすすめする理由を解説

アルバイトの中でも、飲食店経験をしたことのある人は多くの割合を占めています。とある企業の調査では「学生時代に経験すべきアルバイト」として58%以上の人が飲食店と答えています。接客、言葉遣い、商売の大切さなどたくさんのことが学べることが理由に挙げられます。

「飲食店のアルバイトに興味があるものの、自分に合っているか分からない」「飲食店は、きついから辞めたほうがいいと耳にしたけれど、本当？」と疑問に思う方もいるかもしれません。

ホールやキッチン、デリバリースタッフなど飲食店のアルバイトは、どの業務を担当するかで求められるスキルが異なるため、自分に合ったお店や仕事内容を選ぶことが大切です。

そこで本記事では、飲食店のアルバイトの仕事内容や、やめとけと言われる理由、おすすめの理由を詳しく解説します。飲食店のアルバイトを探している方は、ぜひ参考にしてください。

仕事内容から選ぶ飲食店のアルバイト募集

飲食店のアルバイト募集に応募するか判断するためには、仕事内容を把握することが大切です。ここでは、飲食店でアルバイト募集のある、ホールスタッフ、キッチンスタッフ、デリバリースタッフの3つの仕事内容について詳しく解説します。

ホールスタッフ

飲食店のホールスタッフは、来店したお客さまに料理やサービスを提供する仕事です。具体的には、お客さまを席に案内し、メニューを説明してオーダーを取る、料理やドリンクを運ぶ、食事後の片付けや会計といった、さまざまな業務を担当します。

また、空いたテーブルの片付けや清掃、料理が遅れている場合はキッチンと連携を取るなど、臨機応変に対応することも大切な仕事の1つです。

飲食店と一口にいっても、牛丼やうどんなどの飲食チェーン店、カフェ、個人経営のレストランなど、はたらく場所によっても仕事内容が異なります。

たとえば、チェーン展開する回転寿司のホールスタッフであれば、注文用のタッチパネルの操作方法の説明や調味料の補充なども、業務に含まれることが多いでしょう。

キッチンスタッフ

キッチンスタッフの主な仕事は、調理の補助や食材の準備などです。食材の洗浄やカット、仕込み作業、料理の味付けや盛り付けをする場合も少なくありません。店舗によっては、ドリンクやデザートの準備を任されることもあります。

牛丼や回転寿司のチェーン店などでは、基本的に業務マニュアルに沿って調理を進めていきます。

また、調理作業だけでなく、食器の準備や洗浄、キッチンの清掃などの衛生管理も重要な業務の1つです。

デリバリースタッフ

デリバリースタッフの主な仕事は、注文を受けた料理や飲み物を飲食店からお客さまのもとへ安全かつ迅速に届けることです。

基本的な業務は、注文の確認、料理の受け取り、配達ルートの確認、配達の実施、支払いの対応（現金・二次元バーコード決済など）です。店舗によっては、配達の合間に店内清掃やチラシ配布、簡単なキッチン補助を任されることもあるでしょう。

飲食店のアルバイトに必要とされるスキル

飲食店のアルバイトは、ポジションによって求められる知識やスキルが異なります。ここでは、ホールスタッフ、キッチンスタッフ、デリバリースタッフのそれぞれで、どのようなスキルが必要とされるのかを解説します。

ホールスタッフ

ホールスタッフは、接客に必要なコミュニケーションスキルが求められます。お客さまを席に案内し、オーダーを取る、料理を提供する、会計を行うなど、直接お客さまと接する機会が多いため、ていねいな言葉遣いや礼儀正しい対応は欠かせません。

また、飲食店では忙しい時間帯があり、効率的に動くスキルや、状況を見て適切に判断する臨機応変な対応力も必要です。

また、食事の進行を見ながら次の料理を提供するタイミングを計るなど、気配りや観察力も求められます。立ち仕事が多く体力も必要ですが、経験を積むことで接客スキルが向上し、今後の仕事にも活かせるスキルを身につけられます。

キッチンスタッフ

キッチンスタッフには、基本的な調理スキルが求められます。食材の洗浄やカット、調理器具の準備などの作業を、正確かつスピーディーに進めることが重要です。

食品を扱う職場であることから、衛生面の知識も欠かせません。特に、夏など気温や湿度が高い時期は食品管理や衛生管理に気を配りながら作業を進めます。

チェーン店の飲食店などでは、マニュアル通りに調理や材料の仕込みをする必要があるため、マニュアルを理解した上で実践する力も求められます。

デリバリースタッフ

デリバリースタッフは、バイクや自転車で迅速かつ安全に配達を行う運転技術が求められます。また、配達時間の厳守が求められるため、道路状況なども考慮しつつ、効率的なルート選択ができる地図やアプリの活用スキルも求められます。

配達中は一人での業務が基本となるため、自己管理能力やトラブル対応力のスキルも求められます。天候に左右される仕事でもあるため、体力や忍耐力も必要です。また、代金の精算やクーポン対応など、基本的な会計処理の知識があると役立ちます。

お客さまと接する機会もあるため、ていねいな接客スキルも欠かせません。商品を確実に届ける責任感を持ち、臨機応変に対応する力が求められます。

バイクを使って配達する場合は、原付免許や普通自動車免許が必要です。一部の店舗では免許取得後の経過期間を条件とする場合もあります。

飲食店のアルバイトはやめとけと言われる理由

飲食店のアルバイトはおすすめしないと言われることもあり、気になる人もいるでしょう。ここでは、飲食店のアルバイトがやめとけと言われる理由について詳しく解説します。

体力的に厳しい

飲食店のアルバイトはやめとけと言われる理由には、体力の問題が挙げられます。ホールスタッフは、オーダーを取ったり、料理を運んだり、片付けをしたりと、常に店内を忙しく動き回る仕事です。立ち仕事が続くため、勤務時間が長いと体力的に厳しさを覚えることもあるでしょう。

キッチンスタッフも同様に、長時間立ちっぱなしで調理を続けるため、足腰へ負担がかかります。また、調理器具や食材の持ち運び、ビールの樽の交換や運搬など、重たいものを持ち上げる作業がある店舗もあるため、力仕事に慣れていない人にとっては重労働といえるでしょう。

土日や繁忙期は忙しい

飲食店のアルバイトがきついと言われる理由の1つに、土日や繁忙期の忙しさがあります。居酒屋などの飲食店は、週末や祝日、年末年始などには一気にお客さまが増え、店内が混雑することもあります。

ホールスタッフは、立ち仕事に加えてお客さまの要望にも常に冷静に対応しなければならないため、気持ちの面で疲れを感じることもあるでしょう。

また、キッチンではオーダーが立て続けに入るなか、料理をスピーディーに提供する必要があります。大量の注文をこなしながら、ミスを起こさないようにと、精神的なプレッシャーがかかることもあります。

覚えることが多い

飲食店のアルバイトは、覚えることが多いため、辞めたほうがいいと言われることもあります。ホールスタッフは、メニューや座席の配置、注文の取り方、接客マナーなどを覚える必要があります。

一方、キッチンスタッフも、調理方法や食材の扱い方、盛り付け、衛生管理など、覚えるべきことは多岐に渡ります。業務の多さに加え、効率的な作業を求められると、厳しさを覚えることもあるでしょう。

人付き合いに悩むことがある

飲食店のアルバイトはやめとけと言われる理由の1つに、人付き合いの難しさがあります。忙しい飲食店では、あわただしい雰囲気の中で仕事をこなさなければなりません。

そのため、先輩や店長がピリピリしていたり、厳しい指導を受けたりすることもあります。特に新人のうちは、ミスを指摘される機会が多いと、プレッシャーを感じることもあるでしょう。

それでも飲食店のアルバイトをおすすめする理由

飲食店のアルバイトは、きついと言われる一方で、始めやすく就活にも役立つとも言われる職場です。ここでは、飲食店のアルバイトをおすすめする理由を、詳しく解説します。

初心者でも始めやすい

飲食店のアルバイトは、未経験者や学生にとって始めやすい仕事の1つです。多くの飲食店では、未経験者歓迎の求人を出しており、採用のハードルが比較的低いため、アルバイトを始めやすい環境が整っています。

また、チェーン店の飲食店ではアルバイトやパートの比率が高いため、新人への指導に慣れているお店が多く、マニュアルや研修がしっかりしているケースも少なくありません。先輩スタッフや店長が、初心者でも業務を覚えられるようサポートしてくれる店舗もあるため、初めてのアルバイトとしても向いています。

接客力やコミュニケーション能力も自然と身につくため、将来の就職活動やほかのバイトにも経験を活かせるでしょう。

接客・調理スキルを身につけられる

飲食店のアルバイトをすることで、接客スキルや調理スキルを身につけられるのは大きなメリットです。ホールスタッフとしてはたらく場合、接客マナーや敬語の使い方、オーダーの取り方、レジ業務など、社会人になっても役立つスキルを学べます。

また、お客さまの要望に気付いて対応する力や、スタッフ同士で連携するチームワークも身につくため、臨機応変な対応力が鍛えられます。

キッチンスタッフとしてはたらくと、食材の扱い方や調理の基本、盛り付けなど、料理に関するスキルを身につけることが可能です。効率よく調理を進めるコツも学べるため、普段の食事作りにも活かせるでしょう。飲食店のアルバイトは実践的なスキルを学ぶ機会が多く、今後のバイトや就職活動にも役立つ仕事といえます。

まかないが食べられるお店がある

飲食店のアルバイトをおすすめする理由の1つに、まかないが食べられるお店が多いことがあります。多くの飲食店では、アルバイトや従業員向けに、通常のメニューよりも食事補助や割引といった形で、食事ができます。

お得に美味しい食事ができることは、飲食店のアルバイトならではの大きなメリットです。ただし、すべてのお店でまかないが提供されているわけではないため、注意が必要です。仕事を始める前にまかないの有無を知りたい場合は、求人情報を確認したり、面接時に話を聞いたりしておきましょう。

募集要項を確認して飲食店アルバイトに応募しよう

飲食店のアルバイトは、ホールやキッチンなど業務内容が幅広く、職場の雰囲気や忙しさもお店によって異なります。そのため、自分に合ったはたらき方ができるかどうかを見極めることが大切です。

接客スキルや調理スキルが身につくなど、飲食店ならではのメリットも多く、バイトデビューにもおすすめの仕事です。一方で、忙しい時間帯の負担や体力的な大変さもあるため、事前に仕事内容や職場環境をチェックしておくことが大切です。求人情報を確認した上で、自分に合ったお店を選びましょう。

【出典】アルバイトに関する意識調査|学生時代のアルバイト経験が社会で「役に立った」＝「８５％」おすすめは「飲食店」でした